MONOVATE株式会社の革新技術
MONOVATE株式会社(東京都中央区)は、粉体供給用ホッパーに関する特許技術「微多孔性層」(特許第7624753号)を取得し、粉体供給工程に新たな革命をもたらしました。この技術は、粉体の流動性を高め、生産現場における効率的な素材供給を実現します。本記事では、この特許技術によって解決される粉体供給の課題と、どのように製造業界で役立つのかを掘り下げていきます。
粉体の動きを液体のように
新たに開発された「エアレーションホッパー」は、粉体に空気を送入することで粉体を流動化し、スムーズな排出を可能にします。粉体が液体のように動くことで、ホッパー出口での詰まりを防ぎ、製造ラインの停止リスクを大幅に軽減します。
例えば、粉末スープの製造ラインでは、原料の粉体がタンク内で固まってしまうと、次工程への供給が行えず、結果的に生産がストップしてしまいます。このような粉詰まりは、工場にとって重大な問題です。
解決される3つの課題
1. 原料ロスの改善
粉詰まりにより、排出されなかった粉体が廃棄されるリスクが存在しますが、この技術によりホッパー内に残る粉体を最小限に保つことができ、原料の無駄を大幅に削減できます。
2. 騒音対策
従来、粉詰まり対策製品はタンクを物理的に叩いたり振動させる方法が一般的でしたが、騒音が発生します。エアレーションホッパーは、空気の流動だけで動作するため、作業環境の静粛性を向上させます。
3. 短時間での効率的な粉体輸送
空気輸送機との併用により、粉体の搬送量が最大2.8倍に増加することが試験で確認されており、これによりエアー消費量の削減にもつながります。
特許技術「微多孔性層」の特徴
MONOVATEが開発した特許技術「微多孔性層」は、微細な孔を持つホッパー設計によるもので、ホッパー内には外部(エア供給側)にφ200µm、内部にφ70µmの微細な孔が多数配置されています。圧縮エアーがこれらを通過することで、粉体が均一に流動化されます。また、内ホッパーと外ホッパーの間に設けた空間が全方向からの流動化を実現し、粉体の供給をさらに効率的にしています。
将来の展示予定
この新技術は、2025年2月25日(火)から開催される「第11回インターフェックス大阪(医薬品・化粧品製造展)」にて展示される予定です。これは関西地域でも最大級の医薬・化粧品の製造技術展で、多くの企業が参加する機会となります。
MONOVATE株式会社について
MONOVATEは、1957年に設立され、製造用ステンレス容器や撹拌装置の販売を手がける企業です。長年の経験を活かし、医薬品や化粧品、食品業界など、多岐にわたる分野にオーダーメイドの製品を提供しています。2024年4月には、社名を「ジャパン金属工業株式会社」から「MONOVATE株式会社」に変更しました。今後も粉体供給に関する新技術で、生産ラインの効率化を全面的にサポートしていくことでしょう。
詳しい情報は、
MONOVATE公式WEBサイトをご覧ください。