感覚過敏を考慮した学生服の試着会が実施されました

2023年9月に、カンコー学生服と感覚過敏研究所の共同プロジェクトによる「やさしいワイシャツ」の改良を目的とした試着会が東京で開催されました。この試着会は、感覚過敏を抱える生徒が快適に着用できる制服の実現を目指すものです。

背景と目的

感覚過敏により、制服が着用できない生徒が少なくありません。彼らは、服の素材やデザインの影響で不快感や痛みを感じることがあります。そのため、カンコー学生服と感覚過敏研究所は、2022年より共同でこの問題の解決に向けて取り組んできました。これまでにも、ワイシャツの企画や販売、教育者向けの啓発活動を行ってきました。

ワイシャツの特徴

新たに販売される「やさしいワイシャツ」は、以下のような特長があります：

- 肌触りに配慮したデザイン: 縫い目やタグが肌に触れないように設計されており、特に履き心地を向上させるために「巻き伏せ縫い」技術が用いられています。
- やわらかさを追求した襟元: 襟は一体型で仕立てられ、締め付け感がないように作られています。また生地の内側に使用されている芯地も柔らかさを考慮されています。
- 高品質な素材: 綿100％の高級生地を使用しており、着心地の良さが実現されています。
- フォーマルなシーンにも対応: 外観は従来のカッターシャツと大きく変わらないため、フォーマルな場面でも使用することが可能です。

この「やさしいワイシャツ」は、2024年9月に行われた試着会を通じて、参加者の意見をもとにさらなる改良が加えられることになっています。参加した中学生や高校生たちは、同じ制服を着たいという思いや、将来への不安を語りました。この試着会は、制服のない学校に通う生徒や不登校生徒にとって、希望を与える機会となったのです。