新たな癌治療の時代が到来
2025年7月18日、サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパンが発表した「オンコマインTM Dx Target Test マルチ CDxシステム」が、厚生労働省から承認されました。このシステムは、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対するアミバンタマブ及びラゼルチニブメシル酸塩水和物という新しい治療法のコンパニオン診断として機能します。
進化する癌治療のコンパニオン診断
コンパニオン診断とは、特定の治療法が効果的かどうかを判断するために必要な検査を指します。サーモフィッシャーのシステムは、次世代シーケンシング(NGS)技術を活用し、より高度で正確な遺伝子解析を行います。これによって、患者に最適な治療法を見極めるための情報を提供することが可能となります。
特に、EGFR遺伝子変異の検出はこのシステムの重要な機能の一つであり、これによって非小細胞肺癌患者は新たな治療選択肢にアクセスできるようになります。また、このシステムは7つの異なるドライバー遺伝子(BRAF、EGFR、HER2、ALK、ROS1、RET、MET)を網羅しており、さらに甲状腺癌に対しても2つのドライバー遺伝子(RET、BRAF)を検出することができます。
より多くの患者に恩恵をもたらす
新たに承認されたシステムによって、多くの患者が不十分な治療から抜け出し効果的な治療法を受けられる可能性が広がります。具体的には、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌患者には、以下の薬剤が対応することが可能です。
- - ゲフィチニブ
- - エルロチニブ塩酸塩
- - アファチニブマレイン酸塩
- - オシメルチニブメシル酸塩
- - ダコミチニブ水和物
- - アミバンタマブ(遺伝子組換え)
- - ラゼルチニブメシル酸塩水和物(今回の承認により追加)
また、BRAF遺伝子V600E変異に対しては、ダブラフェニブメシル酸塩及びトラメチニブジメチルスルホキシド付加物なども対応します。これらの選択肢が増えることは、患者にとって大きな希望をもたらすことでしょう。
サーモフィッシャーの使命
サーモフィッシャーは、世界中の患者に革新的な医療サービスを提供することを使命とし、科学的な進歩を特に生命科学研究、臨床診断、患者の治療向上に役立てていくことに注力しています。
同社はグローバルに展開しており、400億ドルを超える収益を上げています。彼らの製品は厳しい品質基準を満たし、医療現場において必要不可欠なものとなっています。誠実さと革新性を持って、サーモフィッシャーはさらなる技術革新と医療の発展に寄与し続けることでしょう。
まとめ
「オンコマインTM Dx Target Test マルチ CDxシステム」の承認は、非小細胞肺癌患者に新たな治療の可能性を提供し、今後の臨床現場で大きな注目を集めることでしょう。このシステムを通じて、多くの命が救われることを願っています。