新たなアスリート向けサービスの誕生
日本のスタートアップ企業、イムノセンスとユーフォリアが手を組み、アスリートのコンディションを科学的に「見える化」する全く新しいサービスを開発しました。これにより、スポーツ現場で長年の課題となっていたコンディション管理が、さらなる向上を遂げることが期待されています。このサービスは、今後2025年の夏から正式に提供が開始されます。
注目の技術:唾液中のsIgA測定
イムノセンスが開発した「GLEIAセルフチェックsIgA」という超小型の唾液測定キットがこのサービスの中核をなしています。このキットを用いれば、わずか数マイクロリットルの唾液から、約10分という短時間でsIgA(分泌型免疫グロブリンA)濃度を測定できます。このバイオマーカーは、体調や疲労の状態を示す重要な指標として、アスリートの健康管理に役立てられることを目的としています。
従来の課題とその解決策
これまで多くのアスリートが、コンディション管理において血液検査などの侵襲的な方法を用いてきました。これらの手法は身体的負担が大きく、リアルタイムでの評価が難しいという大きな壁がありました。しかし、この新しい唾液測定サービスにより、迅速で手軽なデータ取得が可能となり、スポーツ現場での感染症予防やケガの予防が大いに期待されています。
ユーフォリアのデータマネジメントシステム
今回のサービスでは、ユーフォリアが提供するアスリートデータマネジメントシステム「ONE TAP SPORTS」との連携により、測定結果を直ちにダッシュボードに表示します。このシステムは、選手のトレーニングやパフォーマンスデータを総合的に管理し、選手の状態を一目で把握できる機能があります。コーチやトレーナーは、この視覚化されたデータを元に、選手に対する的確なアドバイスを行うことが可能になります。
未来のアスリート支援を目指して
本サービスは、2025年6月25日から27日に東京ビッグサイトで開催される「スポーツチーム・アスリート向け総合展2025」において初公開されます。この展示会では、アスリートのコンディション管理の新しい可能性を体感できる機会となるでしょう。イムノセンスは、今後全国の大学やプロチームへの導入を視野に入れ、スポーツ分野での新しい健康管理の指標を確立することを目指しています。
イムノセンスとユーフォリア:それぞれの背景
イムノセンスは大阪大学発ベンチャー企業として、医療技術の革新を目指しています。その代表者である杉原宏和氏は、「GLEIA」技術を用いて、医療グレードの迅速検査を実現することを目指している一方、ユーフォリアは「人とスポーツの出合いを幸福にする」というミッションを掲げ、スポーツ選手の健康管理を支えるテクノロジーを提供しています。
今後の期待
新たなsIgA測定サービスは、アスリートのコンディション管理の未来を変えるものです。これにより、選手たちはより良いパフォーマンスを維持し、健康を守るためのデータに基づいた意思決定が可能となります。未来のアスリートを支えるこの革新が、スポーツ界に新たな風を吹かせることを期待しています。