コンチネンタルが新たに半導体組織AESSを設立し自立性を強化

コンチネンタルの新たな挑戦：AESSの設立

2025年6月、ドイツのフランクフルトでコンチネンタルが新組織「Advanced Electronics & Semiconductor Solutions（AESS）」を発足させました。この新しい組織は、オートモーティブグループセクターの一部として、半導体回路やアプリケーションの設計と製造を担います。自動車業界における急速なテクノロジーの進化に対応するため、コンチネンタルは自社の半導体開発を強化し、持続可能な成長を目指しています。

市場背景と戦略

世界の自動車用半導体市場は2032年までに約1,100億ユーロに達すると予測されており、半導体への需要は急増しています。特に、ソフトウェア・デファインド・ビークル（SDV）の普及に伴い、高度な半導体ソリューションの必要性が高まっています。この状況において、コンチネンタルはGlobalFoundries（GF）との戦略的パートナーシップを結び、半導体の製造をアウトソースすることでリスクを軽減し、自社の自立性を高めることを狙っています。

その結果、AESSは新たなファブレス半導体ユニットとしての役割を果たし、社内向けの半導体設計と検証を行うことで効率的な製品開発を実現します。コンチネンタルの取締役会メンバー、フィリップ・フォン・ヒルシュハイトは、AESSの設立が企業の競争力を一層強化する重要なステップであると強調しています。

期待される効果

AESSが設立されることにより、コンチネンタルは半導体の自給率を高め、クオリティの向上を目指します。また、市場投入までの時間を短縮することで、迅速な対応が可能となります。この新組織がもたらすコスト削減効果は、キャッシュフローの改善にも寄与し、長期的な成功を見込んでいます。

AESSは、オペレーションズ＆テクノロジー部門の一環として、コンチネンタルのオートモーティブグループセクターを支える役割を果たします。このような組織の強化によって、よりダイナミックな市場環境での成長が期待されています。

GlobalFoundriesとの協力

GlobalFoundriesは、自動車、IoT、通信インフラなどのさまざまな産業向けに夢のような高性能ソリューションを提供する大手半導体メーカーです。GFは、コンチネンタルの新組織AESSを支援することにより、さらなる成長を目指しています。GFの社長兼COOであるNiels Anderskouvは、「市場のニーズに応えるべく、革新的な半導体ソリューションを通じてコンチネンタルと共に歩んでいくことを楽しみにしている」と述べています。

コンチネンタルのビジョン

コンチネンタルは1871年から続く歴史ある企業であり、持続可能なコネクテッドモビリティの向上に向けた革新的テクノロジーとサービスを提供しています。現在、約19万人の従業員が世界55カ国で働いており、2024年には397億ユーロの売上高が見込まれています。この新組織の設立は、持続可能な成長への確かな一歩であり、未来のモビリティを形作る重要な要素となるでしょう。