STマイクロエレクトロニクスが新たに発表したコントローラIC
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM)は、電力効率を飛躍的に向上させるために設計された新型コントローラIC「STNRG599A」と「STNRG599B」を発表しました。これらは特に共振コンバータ回路向けに開発されており、照明機器におけるちらつき防止や無負荷時の効率を改善する技術を搭載しています。
STNRG599AとSTNRG599Bの特長
「STNRG599A」は、電力変換用途に最適化されており、内蔵のXコンデンサ放電回路を搭載しています。これにより、アダプタや充電器、テレビの電源、産業用電源における安全性を向上させています。一方で「STNRG599B」は放電回路を内蔵していないため、照明機器用のドライバなどの回路に対応しています。両製品は、750kHzの最大動作周波数と広範な入力電圧範囲を持ち、90Wから数百ワットのアプリケーションに幅広く対応可能です。
位相シフト制御技術
これらのコントローラICは、2つの相補型出力が外部のハイサイドスイッチとローサイドスイッチの位相を180°ずらして駆動することで、全動作範囲でゼロ電圧スイッチングを実現します。STが開発した位相シフト制御(PSC)技術は、ハーフブリッジ電圧と共振タンク電流の間の位相シフトを直接制御することで、出力の安定化を図ります。この技術により、LLC/LCC共振コンバータに含まれる部品の許容誤差に対して制御ループの感度を軽減し、動特性が向上すると共に、入力電圧リップルの除去性能も格段に向上させています。
安全機能の充実
さらに、両製品にはハードスイッチング防止機能やアンチキャパシティブ保護機能が搭載されています。外部ピンでシャットダウンの遅延や自動リスタートを制御する過電流保護回路は、短時間の過電流や持続的な過負荷、出力ショートを柔軟に制御します。また、非ラッチ式のDCブラウンアウト/ブラウンイン保護回路により、設定された入力電圧範囲外になった場合の動作を防ぐことができます。
評価ボード「EVLG599-250WLLC」
これらのICを評価するための評価ボード「EVLG599-250WLLC」も用意されており、PSC技術がAC-DCアダプタや産業用DC-DCコンバータ、スイッチング電源の性能と効率をいかに改善するかを迅速に確認できます。この評価ボードには、STNRG599Aに加え、同期整流ダイオード「SRK2001A」および150mΩ GaN FETを2個、オフラインのハーフブリッジドライバ「MasterGaN1L」を搭載しており、ヒートシンク無しでの使用が可能です。1µA未満のスタンバイ電流と、最大10Aの連続出力電流を実現し、コンパクトなサイズ(78 x 54 x 23mm)で提供されます。
価格と入手情報
「STNRG599A」と「STNRG599B」は、現在量産中であり、SO16Nパッケージで約0.61ドル(1000個購入時)の単価で販売されています。評価ボード「EVLG599-250WLLC」は、STのウェブサイトまたは販売代理店で約336.00ドルで入手可能です。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、約48,000名の従業員を擁し、世界中の顧客に向けた半導体ソリューションの開発を行っています。持続可能な社会の実現や、スマート・モビリティの推進に寄与するため、カーボンニュートラルを目指した取り組みも進めています。詳細情報は、STの公式ウェブサイトをご覧ください。