一建設株式会社が取得した大臣認定
一建設株式会社が、国の建築基準法に基づく構造方法の大臣認定を取得し、木製筋交いを用いた壁倍率5.0の耐力壁としては初の認定を受けた。この新たに開発された「HW5.0Σ(エイチダブリュー5.0シグマ)」は、2025年6月17日にその認定を正式に受け、以降、業界では注目される存在となっている。この技術革新によって、従来の設計の枠を大きく超えた住宅の新たな時代が切り開かれる。
「HW5.0Σ」の背景と目的
一建設は、顧客に対して耐震等級3以上の住宅を提供することを第一の目標としている。この目的を達成するために、外周壁の大臣認定耐力壁として「HW5.0」を先行して開発した。しかし時代のニーズと施工上の課題を解決するため、内部筋交い耐力壁への改良を行った。「HW5.0Σ」は、耐震性を確保しつつ、設計の自由度を向上させ、施工時の利便性も考慮して開発された。
設計上の自由度の向上
この新たな耐力壁は、従来の木製筋交いの設計上の制約を克服している。一般的な筋交い壁は、構造用面材との組み合わせが必須であったため、自由な開口部や収納スペースの創出が難しいが、「HW5.0Σ」では、そのような設計を可能にした。例えば、小さな開口部や内部に収納を設けても、強度を損なうことなく実用性を高めることができるのだ。
さらなる安全性の追求
「HW5.0Σ」は、耐震等級3を基準としており、その設計基準を自然に超越することが可能である。これにより、住宅の性能面での余力が保たれ、さらなる安心感を提供できる。
コストパフォーマンスの向上
木材の使用量を適度に抑えることにより、耐震性を低コストで実現することができる。つまり、エコでありながらも高い安全性能という、理想とも言える住宅が提供できるようになる。
「HW5.0Σ」の優れた特徴
HW5.0Σは、強度、靭性、剛性の面で他の木製筋交い耐力壁と比較すると、非常に優れた性能を持つ。使用される木製の斜材には、国産のLVL規格品が採用されており、安定した品質を確保できている。また、施工品質や作業性を保証するため、認定に準じた施工を行う必要があり、その結果、トラブルを大幅に減少させることが可能だ。
特に、ニッチやコンセントボックス、通排気口など、建築物に必要不可欠な設備を設ける際、HW5.0Σでは部材の切り欠きが不要なため、実際の施工においてもさまざまな設計上の自由度が享受される。
一建設株式会社の概要
一建設株式会社は、1967年2月に設立され、東京都豊島区に本社を置く。分譲戸建て住宅やマンション、注文住宅、リフォームなど多岐にわたる事業を展開している。代表取締役の堀口忠美氏が指揮を執り、安心で快適な住宅提供を目指している。
まとめ
一建設の「HW5.0Σ」は高い耐震性と設計の自由度を兼ね備えた、今までにない新しい形の耐力壁である。この技術の導入により、住宅の安全性と快適性が更に向上し、今後の住まい方に革新をもたらすことが期待される。