商工中金、医療機器開発ベンチャーを支援
東京都中央区に拠点を置く医療機器開発ベンチャー、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーが、新たな株主として株式会社商工組合中央金庫(商工中金)を迎えることを発表しました。長年にわたる取引関係を背景に、新たな資本提携が実現しました。
80年超の歴史ある取引関係
ジャパン・メディカル・カンパニーは、1897年創業の大野鐵店を起源とする企業。2018年にメディカル部門をスピンオフする形で設立されました。商工中金とは、その前身である大野鐵店時代から80年近くにわたる取引関係があり、これまで資金面だけでなく、事業運営全般にわたる支援を受けてきました。今回の株主参入は、これまでの関係をさらに深化させるものと言えるでしょう。
商工中金の支援、その狙いとは
商工中金は、「企業の未来を支え、日本を変化に強くする」というパーパスを掲げ、中小企業の成長を支援しています。ジャパン・メディカル・カンパニーの株式取得は、そのパーパスを実現するための具体的な取り組みの一環です。同社が開発・製造する精密な医療模型や、乳幼児向け頭蓋矯正ヘルメットといった製品は、医療分野における高い技術力と革新性を示しています。商工中金は、これらの製品が持つ可能性に着目し、成長への投資を決断したと言えるでしょう。
ジャパン・メディカル・カンパニーの事業展開
ジャパン・メディカル・カンパニーは、精密立体医療模型「KEZLEX」の開発・製造からスタートし、30年以上にわたって医療機器開発に携わってきました。特に、脳神経外科医と共同開発した乳幼児向け頭蓋矯正ヘルメットは高い評価を得ており、2024年2月には最新モデル「Qurum Fit」を発売。全国約30の医療機関と連携し、製品の普及に努めています。
しかし、同社は現状に満足せず、さらなる課題にも取り組んでいます。乳幼児の頭蓋変形に対する正しい知識の普及や、適切な治療法の確立を目指し、啓発活動やノウハウの提供にも力を注いでいます。将来的には、東南アジア地域への事業展開も視野に入れています。
両社のコメント
商工中金側は、ジャパン・メディカル・カンパニーのニッチ分野における実績と、今後の医療分野への更なる貢献に期待を寄せています。一方、ジャパン・メディカル・カンパニー側は、長年の支援に感謝を示しつつ、商工中金の信頼に応えるべく、更なる技術革新と事業拡大に邁進していく姿勢を示しました。
今後の展望
ジャパン・メディカル・カンパニーは、商工中金の支援を受け、技術開発を加速させるとともに、サービスの質を向上させることで、更なる事業成長を目指します。「世界にまだない、選択肢をつくる」というコーポレートビジョンを掲げ、医療分野に革新をもたらす存在として、今後の活躍が期待されます。商工中金にとっても、この投資は、中小企業支援のモデルケースとなり得るでしょう。
関係者の声
商工中金 本店営業部営業第三部営業第三課 落合彩夏氏
「これまでのご融資に加え、株主としてより強固なご支援をさせていただく運びとなりましたこと大変嬉しく思っております。ジャパン・メディカル・カンパニー社は頭蓋形状矯正というまだ日本でニッチな分野の普及に取り組まれ、着実に実績を上げられております。当金庫としては今後も医療シーンにインパクトを与えていただきたいという思いと共に貴社の成長に寄り添いながらご支援させていただければと思っております。」
商工中金 本店営業部営業第三部営業第三課 課長 梁川工氏
「この度はジャパン・メディカル・カンパニー社の株式取得に携わることができ、大変光栄に思っております。このお取引が貴社と幣金庫の更なる成長と発展に寄与していくことを期待し、ジャパン・メディカル・カンパニー社のコーポレートビジョン「世界にまだない、選択肢をつくる。」の実現のため、引き続きご支援させていただければと思います。今後も幣金庫一体となって、お客さまの企業価値向上に貢献できるよう努めてまいります。」
ジャパン・メディカル・カンパニー 取締役会長 大野秀則氏
「銀行は雨の日には傘を貸さない」と言われます。しかし、商工中金様には80年近くにわたり、大野興業が困った時には必ず大きな傘を用意していただきました。お陰様で大野興業は創業128年目を迎えることができ、新たに興した当社も順調な成長を続けております。…(以下略)」
ジャパン・メディカル・カンパニー 代表取締役CEO 大野秀晃氏
「商工中金は、1936年に設立された中小企業専門の金融機関です。…(以下略)」