美容室倒産の現状
2025年、なんと美容室の倒産件数が235件に達し、過去最多を記録しました。これは前年の215件を上回り、2年連続での更新です。特に注目すべきは、この倒産件数の約90%が資本金1000万円未満の小規模経営の美容室であり、数年以内に閉店するケースが増加している点です。
倒産の原因
このトレンドの背景には、激化する競争、コストの上昇、さらに人手不足の三重苦が挙げられます。最近では、大手チェーンや低価格カット専門店の進出により、競争が非常に厳しくなっています。また、美容師の取り合いも起こり、多くの中小美容室は人手不足に苦しんでおり、これが倒産の大きな要因となっているのです。
2025年の倒産美容室の業歴を見てみると、設立から10年未満というケースが49%を占めており、最近では年間100件以上の短命な経営が常態化しています。設立から倒産までの平均期間は13.0年で、過去最短となっています。コロナ禍を経ても、経営する上での厳しい状況は変わっていません。
人手不足が引き起こす影響
特に人手不足が深刻で、その影響で倒産に至った美容室は12月末時点で11件もあり、これは2013年以降の最多となっています。資金力のある大手サロンは、福利厚生の充実を図り、若手美容師を集めやすい環境を整えていますが、対照的に中小美容室はスキルのあるスタッフがなかなか確保できず、スタッフの流出が続いています。
美容学校を卒業した新卒スタッフの多くは、技術を身に付けた後に独立する道を選んでしまい、結果的に人材不足から抜け出せなくなっています。これは、美容師の流動性が高まっていることを示しており、多くの美容室がより柔軟な雇用形態を求められています。
コスト上昇と値上げの難しさ
さらに、シャンプーやカラー材、電気代、テナント料、人件費などのコストが上昇し続けている状況です。しかし、物価が上がっている中で消費者の節約志向も強まっており、施術料金を値上げしても集客への影響を懸念する美容室が多数を占めています。
美容室では、ヘアカットのみの値上げや、料金の細やかな調整を行うことで受け入れを得る努力が始まっていますが、業界全体での値上げ戦略が今後の重要なテーマとなるでしょう。具体的な事例として、特定の施術での料金を引き上げる一方でセット施術を据え置くといった工夫も見られます。
今後の展望
このような厳しい状況の中、小規模美容室が生き残るためには、特異性や顧客のニーズに対する柔軟な対応が求められるでしょう。業界全体で競争が激化する中、年々短命化していく美容室の現実をどうにか打破していくために、経営者たちは今後も工夫を凝らす必要があります。美容室が自身の特色を活かし、顧客に満足してもらえるサービスを展開することで、業界の未来を明るく照らすことが期待されます。