茅ヶ崎市、AWSコスト管理ツール「srest」で実証実験を開始
2025年9月11日、神奈川県茅ヶ崎市において、株式会社メタップスホールディングスが提供するAWSコスト管理ツール「srest」を用いた全国初の実証実験が始まりました。この実証は、多くの自治体が導入している共同利用方式に基づいており、ガバメントクラウド環境での効率的なコスト管理を目指しています。
共同利用方式の背景と課題
茅ヶ崎市が採用する共同利用方式は、一つのシステムを複数の自治体が共有する仕組みです。この方式の特徴は、運用補助事業者(ベンダー)がAWSアカウントを管理するため、各自治体が実際の利用料内訳を把握することが難しいという点にあります。その結果、請求書の検収や利用状況の確認に多くの時間がかかることが大きな課題となっています。
特に茅ヶ崎市では複数のベンダーが関与しているため、請求書の検収に必要な情報を各事業者から得る必要があり、その過程でコミュニケーションのコストも増大しています。これが、本来注力すべきコスト最適化に向けた検討を妨げる要因となっています。
srestの導入による解決策
そこで、茅ヶ崎市は「srest」を導入し、AWSのコストの可視化を進めることで、検収作業の効率化を図ることを決定しました。「srest」は、これまでのように運用補助事業者に依頼することなく、直接利用明細や内訳情報を取得できる環境を提供します。
これにより、請求書検収に伴うデータ収集や内訳整理にかかる手間や時間を大幅に削減できる見込みです。また、効率化によって生まれる時間をコスト最適化の検討に充てられるよう支援していくことが狙いです。
茅ヶ崎市のデジタル推進課の見解
茅ヶ崎市デジタル推進課の松野友貴様は、「既存のガバメントクラウドが持つ課題の中で、コストの可視化は急務である」と述べ、共同利用方式では事業者との協力が不可欠であることを強調しました。松野様は、実証実験が成功し、業務効率化とコスト削減を実現することへの期待感を示しました。特に、実証結果が全国の自治体にも波及し、さらなる効率化につながることを願っています。
srestについての詳細
「srest」は、複数のAWSアカウントのコストデータを統合し、継続的なコスト最適化を支援するツールです。ダッシュボードは直感的で、企業全体のクラウドコストに対する透明性を向上させます。AWSによる技術レビューを通過し、AWS認定ソフトウェアとしても評価されています。
この実証実験が成功し、全国の自治体での導入が進むことで、日本の自治体のコスト管理が大きく変わることが期待されます。茅ヶ崎市の取り組みが、他の自治体にも良い影響を与えることに期待が高まります。