女性ベンチャーキャピタリストの新たな試み
東京を拠点にした女性ベンチャーキャピタリストのコミュニティ『Tokyo Women in VC』が、一般社団法人として新たな一歩を踏み出しました。この法人化によって、メンバーのエンパワーメントが一層強化され、スタートアップ界における女性の存在感を高めることが期待されています。
設立の背景
現在、スタートアップエコシステムにおいてジェンダーダイバーシティは大きな課題の一つとされています。金融庁の政策オープンラボからも、この問題の重要性が訴えられています。研究により、女性VCがスタートアップのパフォーマンス向上に寄与していることが示されており、異なる視点やネットワークが提供できる存在として注目されています。
とはいえ、日本のベンチャーキャピタル業界における女性の比率は依然として低く、Tokyo Women in VCが実施した調査によれば、国内の女性パートナーはわずか7%で、全体の15%に過ぎません。このような背景があるため、女性VCの情報源や昇進の機会には大きなハードルがあります。Communityの設立は、このギャップを埋める努力の一環と言えるでしょう。
コミュニティの活動内容
ネットワーキングと支援
Tokyo Women in VCは、女性VC同志の出会いやネットワーキングの場を提供し、さらに投資家や弁護士といった隣接分野の専門家との交流も促進します。定期的なアンケートを通じて、業界の実態を把握し、ジェンダーペイギャップを理解するための取り組みも行っています。
ディールフローとナレッジの共有
コミュニティ内での情報共有チャンネルを設け、スタートアップ投資案件を共有することで、女性VCの投資実績を向上させることが目指されています。また、投資手法や業界動向に関する知識も並行して提供されます。
キャリア支援
特に、キャリアの成長を意識したメンターシップ制度も魅力の一つ。パートナークラスのメンバーとの定期カウンセリングを通じて、男女問わず幅広く支援を提供します。さらには、国内外のベストプラクティスについて学べる機会も充実しています。女性起業家に対してもアプローチし、専門家を招いた勉強会や相談イベントを行っています。
今後の展望
東京ウィメンズVCでは、長期的な信頼関係を基にしたコミュニティの強化を図り、新たな仕事や投資案件の機会を生み出すことを目指しています。一般社団法人化によって、パートナーシップやスポンサーシップの拡大が計画されており、より多様性に満ちたエコシステムの形成が期待されます。今後の活動を通じ、女性VCのキャリアへの支援を拡充していくという強い意志を持って続けていくことでしょう。
運営メンバーとその背景
コミュニティを支える運営メンバーには、多彩な経歴を持つ専門家たちがいます。
- - 代表理事 / Co-Founder: ソフィー・メラリさんはロンドンの大学を卒業後、監査法人での業務を経てVC業界へ。
- - 代表理事 / Co-Founder: 古川詩野さんはリスク管理のコンサルタントとしての経験を持ち、CVCチームで活躍。
- - 理事: 鈴木絵里子さんは外資系投資銀行の経験があり、現在はKind Capitalの代表。
- - 理事: 松本美鈴さんはスタートアップでの広報やマーケティングを手掛けてきた経験があります。
まとめ
Tokyo Women in VCは、今後も多様な活動を通じて、女性キャピタリストの育成やサポートを行い、スタートアップ界全体に新たな風を吹き込んでいくことを目指しています。さらに多様性のあるエコシステムとしての活性化に貢献していくことでしょう。この活動が、日本のスタートアップシーンにどのような変化をもたらすのか、注目が集まります。