新たなビジネスモデルとしての公共交通と小売の融合を探る実証実験

新たなビジネスモデルとしての公共交通と小売業の融合

大阪商工会議所が主導する「貨客混載実証実験プロジェクト」は、2025年12月6日に城崎温泉で実施されます。このプロジェクトは、公共交通と小売事業の新しいビジネスモデルを模索するもので、特に中小企業にとって重要な試みとなります。大阪府の近畿大学経済学部や大阪信用金庫、全但バス株式会社との共同で実施され、この取り組みは「貨客混載」という新しい形態の輸送を利用します。

貨客混載とは？

貨客混載は、顧客と貨物の同時輸送を行う形態で、輸送効率の向上が期待できます。全但バス株式会社の高速バスの空きスペースを利用し、大阪の中小小売事業者が自社製品を積み込むことで、新たな販売機会を創出します。これにより、商品のロジスティクス機能を活性化させるだけでなく、地方での販路拡大を図り、低コストでの輸送と販売を実現することが目指されています。

参加企業について

実証実験には、以下の企業が参加しています：

- 全但バス株式会社: 兵庫県の交通事業者で、一般乗合自動車運送を行っています。代々続く信頼性を背景に、地域に密着したサービスの提供を目指しています。
- 株式会社ダイヤ: 大阪市生野区に本社を持つパン・サンドイッチの製造販売業者で、新たな大阪名物「おかんパン」を開発しています。地域の需要に応じた商品展開が特徴です。
- ヤマキウ株式会社: 1892年に設立された鰹節や出汁素材のメーカーで、飲食業界から高い支持を受けています。自社製品の販売を通じた新たな販路開拓が期待されています。

実証実験の日程と内容

実施日は2025年12月6日、場所は城崎温泉ツーリストインフォメーション SOZOROです。この日は13:00から16:00まで、全但バスの高速バスを利用して商材が輸送され、現地で販売活動が行われます。学生たちが参加し、購入者に対してニーズや購買動機を調査することで、地域の潜在ニーズを明らかにすることも重要な目的です。

学術的な支持

このプロジェクトは、近畿大学の経済学部新井研究室の協力を得ています。准教授の新井圭太氏が指揮を執り、公共交通の維持・活用に関する研究や実証実験を通じて、地域経済と住民信頼意識を考慮に入れた新たな取り組みを進めています。今回の実験は、公共交通事業者と小売事業者の連携を強化し、新しいビジネスモデルの構築を目指しています。