LiLzとサイサンが実現したLGC残量の新監視システムとは

LiLzとサイサンが共同開発したLGC残量監視システム

日本の医療機関や工場において重要な役割を果たしている高圧ガスの供給。特に医療用酸素は人命にかかわるため、その安定供給は欠かせません。これまで、ガスの残量監視は現地での目視が一般的でしたが、LiLz株式会社と株式会社サイサンが共同で、新たなLGC（Liquid Gas Container）のモバイル監視システムを開発しました。

1. 背景と課題

高圧ガスの供給方法には、CEタンク方式、LGC方式、ガスボンベ方式の3種があります。この中で、LGC方式は中規模消費に多く用いられていますが、残量の監視方法が限られていました。

LGC方式は液体ガスを使用し、容器の構造上、手軽な監視手法がなかったのが主な理由です。この点を解決するため、LiLzはIoT・AIを駆使した新しいリモート監視システムを開発しました。

2. 新しいシステムの特徴

このシステムは以下のような特長を持っています。

- 即日運用が可能： システム導入後、即座に運用を開始できます。
- 設置の手間なし： LGC容器の下にフロアスケールを設置し、カメラ経由で情報をリモート監視するため、LGC自体の改造が不要です。
- 高精度な残量把握： 容器の重さを測定することで、正確な残量を把握できます。
- 低コスト導入： 従来のシステムと比較して、約1/3の費用で導入が可能です。
- ノーコードでの管理： kintoneプラグインを使用して社内ダッシュボードが簡単に運用できます。
- モバイル対応： スマートフォンをはじめとするモバイル端末での監視が可能です。
- 他のシステムとの統合： CEとボンベの残量も同様のシステムで管理できます。

3. 実証と期待

このシステムは、kintoneなどを活用した画面でリモート監視が実現されており、現在も続けて実証が行われています。サイサンの医療ガス部の部長である星野様は、LGC残量管理が可能になったことで、すべてのガス供給形態に対応できるようになることを強調しました。これにより、医療機関でのガス切れを防止し、効率的な供給が実現できる期待が寄せられています。

大西社長は、協業によって長年の課題が解決できたことを大変喜んでおり、特に日本全体の労働力不足が進行する中で、このシステムが創造的な業務に注力できる手助けになると確信しています。