香りの力で新たな体験を創出!広島もとまち水族館の空間演出
広島市に位置する「広島もとまち水族館」は、2025年に「水といのちのミュージアム」のコンセプトのもとて開館する予定です。この水族館は、訪れる人々に海の世界への没入体験を提供することを目指しています。厚い延床面積約2,700㎡には、66基の展示水槽が並び、約200種類、3,000点に及ぶ生き物たちが来場者を迎えます。その展示エリアは、洞窟、森、水中世界など8つのテーマに分かれており、それぞれに異なるメッセージや体験が用意されています。
このたび、広島もとまち水族館の館内において、特に「海の花鳥風月」と「Marine note」の2つのエリアに香り演出が導入されました。その背後には、香りを扱うセントテクノロジーカンパニーであるプロモツール株式会社の存在があります。プロモツールは、数多くの展示施設で香りを活用した演出を行っており、印象に残る記憶作りに貢献してきました。
香りを導入する意義
従来の展示施設では、視覚や聴覚に重きを置いた演出が主流であったため、印象に残りにくいという課題が存在しました。しかし近年、嗅覚による体験の重要性が見直され、香りを取り入れることで来場者に深い印象を与える可能性が広がっています。これにより、各エリアに合わせた特有の香りを通じて、来場者の探索意欲を引き出し、施設の魅力を一層高めることが可能となります。
新たに導入された香りは、各エリアの個性や物語性を際立たせるもので、来場者の満足度を高め、リピーターの獲得にも寄与することが期待されています。プロモツールの調香師チームは、香りの拡散が最適になるよう処方や設計を行っており、これにより小さなお子様からシニアの方々まで安心して受け入れられる香りの提供が実現しています。
プロモツールの取り組み
プロモツールは、2005年に映画『チャーリーとチョコレート工場』のプロモーションとしてチョコレートの香りを流したことをきっかけに、香り演出の分野に踏み出しました。それ以来、同社は博物館、水族館、展示会等、多くの施設で香りを活用した演出を通じて、様々な課題を解決しています。
特筆すべきは、展示物のテーマに沿った香りの再現であり、これが訪問者の体験を豊かにしています。例えば、今までサンシャイン水族館で行った特別展では、スカンクやサソリモドキ、カメムシの香りが登場し、ユニークな体験を提供しました。さらに、環境音や照明演出との融合によって、五感を刺激する総合的な体験が創出されているのです。
涼やかな「海の花鳥風月」では、爽やかな海の香りが漂う一方、「Marine note」では、より深い海の雰囲気を感じられる香りが広がります。これにより、来場者は香りを通じて特定の記憶を呼び起こしやすく、再訪時の印象もより強く残ることでしょう。
今後の展開
プロモツールでは、これまでの実績をもとに、施設の特性に応じた香りの提案を行い、さらなる体験価値の向上を目指します。地域文化施設としてのブランド価値を高め、観光資源としての魅力を発信することにも力を入れていく方針です。
広島もとまち水族館の香り演出を通じて、新たな訪問者体験の創出に期待が高まります。これまでの価値観を超え、香りという新しい視点から多くの人に楽しんでいただける場を実現することで、地域の賑わい創出や文化の振興に貢献していくことでしょう。今後の展開が楽しみです。