キャセイ航空とエアバスの新たな提携
キャセイ・グループとエアバスは、アジアおよび世界における持続可能な航空燃料(SAF)の生産を促進するため、共同で最大7,000万米ドル(約5億4,500万香港ドル)の出資を行うことを合意しました。このパートナーシップは、香港で開催された「ワールド・サステナビリティ・シンポジウム」において発表され、業界全体におけるSAFの普及に向けた重要な一歩とされています。
SAF生産の重要性
SAFの生産拡大は、政策立案者、投資家、製造業者、航空会社、そして顧客との密接な協力が必要です。この共同出資契約によって、キャセイとエアバスは、SAFの生産能力を向上させ、より持続可能な航空業界の実現を目指しています。
今後、2030年以降を見据え、両社はSAF生産を支援する各プロジェクトを特定し、その実現可能性、技術成熟度、供給契約の可能性を基準に評価していく予定です。また、このパートナーシップは、アジア地域におけるSAFの供給と需要の両面をサポートする政策の推進も視野に入れています。アジアは、原材料供給能力、活発な航空市場を持ち、高い成長ポテンシャルを秘めています。
具体的な取り組みと展望
キャセイは、2025年9月に「ワンワールド BEV SAF ファンド」に投資するイニシアティブに参加することで、次世代の革新的なSAF技術の大規模化とコスト削減を目指しています。これは、長期的な視点からの投資を通じて、航空業界全体の脱炭素化を実現するための重要な施策です。今回のキャセイとエアバスの提携は、SAFのより大規模な利用拡大を加速するための新たな枠組みを形成するものであり、短期から中期におけるSAF利用の拡大を目指しています。
両社の期待とコメント
エアバスのアジア太平洋地域プレジデント、アナンド・スタンリー氏は、この合意が両社のコミットメントを反映したものであり、業界全体での取り組みが必要と強調しました。一方、キャセイのアレックス・マクゴーワン氏は、SAFがキャセイ及び航空業界全体において脱炭素目標を達成するための重要な手段であると述べ、これからの取り組みに意気込みを示しました。
キャセイとエアバスのパートナーシップは、1989年以来の長年の関係に基づいて築かれており、現在キャセイ・グループは85機以上のエアバス機を運航しています。将来的には、新たに70機以上の機体が納入される計画もあり、両社の協力関係はますます重要性を増しています。
まとめ
この共同出資により、キャセイとエアバスはSAF生産の新たなステージに突入し、持続可能な航空業界を実現するためにさらなる進展を遂げることが期待されています。航空業界の未来に向けて、成長するSAF市場での取り組みが注目されます。