革新的な静音技術の開発への挑戦
近年、変圧器の振動や騒音が家庭やオフィスに与える影響が問題視されています。この度、ピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)株式会社と株式会社明電舎が手を組み、これらの課題を解決する画期的な研究開発に乗り出しました。
共同研究の背景
変圧器は電力供給の中核をなす重要な装置ですが、その運転時には振動や騒音が発生し、特に住宅地では住環境に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、明電舎はPxDTの提供するメタマテリアルを基盤にした音響制御技術「iwasemi」を活かし、変圧器の静音化を目的とした共同研究を始めることとなったのです。
「iwasemi」技術の特長
「iwasemi」は、特定の周波数帯域の振動をピンポイントで抑制できる独自の音響制御技術です。この技術は従来の防振対策とは一線を画し、高度な計算機による制御を通じて、さまざまな音響課題に対応します。今回のプロジェクトでは、この技術を利用して新たに開発されたメタマテリアルを用い、変圧器の製品化を目指しています。
変圧器需要の高まりと課題
電力社会の進展に伴い、変圧器の需要は増加していますが、それに比例して低騒音化への要望も高まっています。PXDTと明電舎は、環境への配慮を重視しながら、これまで手つかずだった変圧器の静音化に真摯に取り組む姿勢を見せています。特に、住宅街やオフィスビル周辺での騒音問題に対して、持続可能なソリューションを提案することが求められています。
今後の展望
両社は、振動や騒音を効果的に抑制するメタマテリアルの開発を通じ、より静かで快適な社会インフラの実現に貢献することを目指しています。今後、新技術の特許出願も視野に入れ、さらなる技術革新に挑戦していく予定です。
会社紹介
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
2017年に設立されたPxDTは、独自の波動制御技術を駆使して、様々な分野の課題解決に取り組む企業です。デジタルネイチャーの実現を目指し、音と光の制御に注力し続けています。
株式会社明電舎
明電舎は1897年に創業した、電気機器メーカーとして高品質な製品を提供し続けています。「より豊かな未来をひらく」を企業理念に、再生可能エネルギーや省エネルギーソリューションにも注力しています。
両社の協力によって生まれる新しい技術が、社会の音問題を解決する日が待ち遠しいです。