2020年度改訂版の電子雑誌広告取引ガイドラインの全貌
2020年度改訂版の電子雑誌広告取引ガイドラインの全貌
2020年度に改訂された電子雑誌広告取引に関するガイドラインが発表されました。このガイドラインは、デジタル化が進む現代において、電子雑誌とその広告に関する基本的なルールを設定するものです。ここでは、その主なポイントをわかりやすく解説していきます。
電子雑誌とは?
電子雑誌は、出版業界が製作した通常の紙媒体のPeriodic Publicationのデータをオンラインで再現する形で提供される媒体です。スマートフォンやタブレットを使用して、特定の誌名や表紙デザイン、目次が認識できる形式で利用されます。紙媒体がない場合でも、電子端末を用いて同様のユーザーインターフェースを持つ場合は、電子雑誌として認識されます。
広告の定義と掲載基準
ガイドラインでは、電子雑誌における広告は、紙媒体とは別のものとして考えられていますが、基本的な考え方は紙媒体と同様です。これに伴い、広告は予約型や運用型に分類され、さまざまな表現方法が取り入れられています。重要なポイントとしては、掲載基準は各出版社の定める基準を優先しつつも、内容確認は必要に応じて行う点です。
倫理とアカウンタビリティー
広告については日本雑誌広告協会の基準に準拠しつつ、コンテンツプロバイダーの判断も考慮されます。また、広告主との関係性を明示することが求められ、誤認を招かないように告知する義務があります。さらに、出版社は広告を持つ記事のクレジット(表示)を十分に考慮しなければならないことが明記されています。
入稿や効果測定について
入稿形式に関しては、過去に本誌に掲載した原稿の再利用や、新たな媒体仕様に従った原稿の制作が必要です。また、効果測定指標も通常の紙媒体同様に日本ABC協会の公表に基づいて行われ、アプリのユニークユーザー数などの新たな算出方法も研究されています。
広告掲載の流れと証明
広告掲載の開始日は、電子雑誌の利用開始日や発売日などを基準に設定されます。広告が終了した際には、出版社やコンテンツプロバイダーは、掲載期間やインプレッション数などの証明書を発行しなければならなくなっています。これにより、広告の透明性が担保されます。
データ取り扱いと運用型広告の運用
ガイドラインは、データの取り扱いについても触れており、特にログデータや第三者配信の管理・運用については慎重に行われます。運用型広告はユーザーごとに異なる広告を配信することから、出版社は広告内容の確認と必要に応じた原稿の停止が求められます。広告掲載後は掲載レポートの提出が必要となり、これに基づいて計上を行います。
ガイドラインの見直し
今後、運用の安定化を目指すために、ガイドラインは必要に応じて見直されます。この際は、電子雑誌広告タスクフォースの協力を得て改訂される予定です。
このように、2020年度の改訂版電子雑誌広告取引ガイドラインは、デジタル環境における広告の透明性と倫理性を向上することを目的としています。広告主、出版社、コンテンツプロバイダーなど、すべての関係者が基準を遵守し、信頼性の高い広告環境の構築に努めていくことが期待されます。
会社情報
- 会社名
-
一般社団法人 日本雑誌広告協会
- 住所
- 東京都千代田区神田神保町1-32出版クラブビル6F
- 電話番号
-
03-3291-6202