三菱食品が目指すサステナビリティの未来
三菱食品株式会社は、持続可能な社会の実現を目指し、使用済みの物流資材である折りたたみコンテナ(通称:折りコン)を再利用する新たな資源循環スキームを開発しました。この取り組みは、三菱食品の子会社である株式会社ベスト・ロジスティクス・パートナーズと三菱商事プラスチック株式会社との連携のもと、2025年7月から導入される予定です。
折りコンとは?
折りコンは、主に物流業界で広く利用されている折りたたみ可能なコンテナです。軽量かつ堅牢で、効率的な運搬が可能なため、多くの企業が使用していますが、使用後は廃棄されることが多く、その処理が課題となっています。そこで三菱食品は、この問題に取り組み、循環型社会の実現を目指し、具体的なリサイクルの流れを構築しました。
リサイクルの流れとその効果
今回の取り組みでは、廃棄された折りコンを次の四つの工程でリサイクルします。
1.
回収:使用済みの折りコンを集める。
2.
粉砕:回収した折りコンを粉砕して材料にする。
3.
素材化:粉砕した材料を新たな原料に加工する。これには、リサイクル材を50%、バージン(新品)原料を50%配合した新製品が含まれる。
4.
再商品化:処理された材料を利用し、新たな折りコンを生産する。
このサイクルを通じて、1,000枚の折りコンをリサイクルすることで、約2,800kgものプラスチック資源の循環に寄与できることが期待されています。また、リサイクルによって、未処理のプラスチック素材を使用した場合に比べ、製造及び焼却処理において発生するCO2の排出も大幅に削減される見込みです。
持続可能な未来へ
今後の方針として、三菱食品グループはまず関東エリアでの成功をベースに、折りコンリサイクルの取り組みを全国へと拡大していく予定です。また、グループ全体で「サステナビリティ重点課題の同時解決」を掲げ、20230年までにCO2排出量を2016年度比で60%削減することを目指します。
各社の取り組みと連携
このプロジェクトには、三菱食品グループの各社が関与しており、連携を図っていることも特徴です。三菱商事プラスチック株式会社は、リサイクル技術を提供し、効率的なプラスチックの再利用を進めます。また、ベスト・ロジスティクス・パートナーズは、三菱食品の物流事業を継承し、実施する役割を担っています。これにより、よりスムーズなリサイクルプロセスが可能になります。
まとめ
三菱食品の新しい取り組みは、環境に配慮した循環型社会の実現へ向けた重要な一歩となります。持続可能な未来を目指す中、企業としての責任を果たす姿勢に期待が寄せられています。今後の取り組みの展開が注目されるところです。