東京の出版社が発達障害に寄り添う不登校対策書を発表

発達障害と不登校の問題に取り組む新たな書籍

2025年6月21日に、株式会社バトン社が新たに発行する書籍『発達障害・「グレーゾーン」の子の不登校大全』が注目を集めています。本書は、発達特性を持つお子さんに向けた不登校に焦点を当てた初の書籍で、著者は臨床経験30年以上の児童精神科医、本田秀夫氏です。これまでにない視点から、不登校の子どもに対する理解と支援の方法を提供してくれます。

本書は、Amazonの売れ筋ランキングにおいて、「福祉の社会保障」「生徒指導」「障害者」の3つの部門でトリプル1位を獲得しました。これは、このテーマの重要性と本書の価値を如実に物語っています。

子どもが「学校に行きたくない」と言ったときの対応法

子どもが不登校を訴えると、大人は「問題の始まり」と捉えがちですが、実際には子どもにとっては「最終段階」であることもあります。本書では、子どもが「学校に行きたい」と言えなくなる背景を詳しく解説し、大人がどのように対応すべきかを提案しています。まずは、休養を取らせ、相談しやすい環境を整え、親子関係を良好に保つことが基本です。

著者は、発達特性を持つお子さんと接してきた経験から、どのようなポイントで対応が成功するかを伝えています。この本の内容は特に発達特性のある子どもを対象としていますが、その知見は特性が目立たない子どもにも適用可能です。関係者や保護者にとって、重要な情報源となるでしょう。

書籍の構成と内容

本書は、以下の章構成で構成されており、さまざまな側面から不登校の問題を掘り下げています。
1. 子どもが不登校になる原因とは何か
2. 不登校は学校や家庭のせいなのか
3. 発達障害の子どもは不登校になりやすいのか
4. 自分の子どもが不登校になった際の具体的な対応方法
5. 不登校の子どもは将来どうなるのか

さらには、巻末特典として、親から教師への相談がしやすくなる「シェアシート」も用意されています。これにより、保護者と教師が子どもの悩みを共有しやすくなり、さらなるサポートが可能となることでしょう。

医療と教育の架け橋

本田秀夫氏は信州大学医学部の教授であり、長年にわたる発達障害の研究・実践を通じて、多くの知見を持っています。彼の医療から得られた知識が、教育現場にも生かされることを目指し、本書はその架け橋になっています。特に、彼が主導する長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」でも、発達障害の子どもたちが自分らしく成長できるよう、さまざまな支援を行っています。

バトン社の使命は、読者に新たな価値を提供し、現代における出版の新たな形を切り拓くこと。『発達障害・「グレーゾーン」の子の不登校大全』は、発達特性を持つお子さまやその支援者にとって、必要不可欠な一冊です。子どもに寄り添った支援を考えるきっかけを与え、未来への希望となることでしょう。

出版の背景には、今後も続くであろう発達障害への理解促進や、社会全体の支援体制を強化していく必要性があります。本書がその一助となることを期待しています。