新たな事故対応
2019-06-11 17:13:43
ボッシュが提案する新たな事故対応ビジネスモデルとは?
ボッシュの新たなビジネスモデル「CDR+ADASビジネス エコシステム」
自動運転社会の到来と、安全運転支援システムの普及に伴い、車両整備の領域でも変革が求められています。そこで登場したのが、ボッシュ株式会社が提案した「CDR+ADASビジネス エコシステム」です。これは、大手損保会社と板金・整備工場の連携を強化し、より効率的に事故対応を行うことを目指しています。2019年5月に開催された「第36回オートサービスショー2019」で発表されたこのビジネスモデルは、事故車両の修理過程を一新するもので、今後の車社会における重要な要素となる可能性があります。
CDR及びADASの役割
この新モデルは、まず事故車両が板金・整備工場に入庫された際、損保会社からの指示に基づいてデジタル事故解析ツール「CDR(クラッシュデータリトリーバル)」を使用します。このツールでは、車載EDR(イベントデータレコーダー)から事故時の走行データを抽出し、事故の詳細な解析が可能となります。これにより、事故原因の明確化や、整備工場での修理時に必要な情報を損保会社に提供することができ、結果的に事故処理のスピードが向上します。
さらに、修理後にはADAS(先進運転支援システム)のエーミングを行うことで、車両の安全性を確保します。この過程の中で、運転者が安心して車両を受け取れるようになるのです。
新ビジネスモデルのメリット
ボッシュの「CDR+ADASビジネス エコシステム」は、全体の流れを見直すことで、多くの利点を提供します。特に、CDRを活用することで、従来のアジャスターの仕事が効率化され、事故の過失割合を迅速に判断できるようになります。これにより、保険金の支払いまでの時間を短縮することが期待されています。また、客観的なデータに基づく事故原因の分析が行われるため、事故当事者の証言による情報の食い違いを避けることができ、より公平な事故解決が促進されます。
この新モデルは、大手損保会社との提携を進めていることから、さらなる導入が進む見込みです。また、車両システムが進化する現代において、整備工場も新しい知識や技術を身につける必要があり、ボッシュのトレーニングや認定制度もその一環として重要です。
板金・整備工場の未来
ボッシュがこの新ビジネスモデルを推進している理由は、車社会の状況が変化しているからです。例えば、新技術を搭載した車両が増加し、従来の修理技術では対応できないケースが増えています。また、カーシェアリングの普及による影響も見逃せません。今後は一台の車を複数人で使うことが増えるため、それぞれの整備履歴やトラブルに関する情報を出来るだけ正確に把握し、整備作業を行うことが重要になります。
さらに、整備工場における記録の保存が求められる背景には、アメリカなどで発生した整備不備による賠償問題が挙げられます。このようなリスクを回避するためにも、ボッシュの導入する「CDR+ADASビジネス エコシステム」は、時代の変化に対応した革新的なモデルであると言えるでしょう。
まとめ
ボッシュの「CDR+ADASビジネス エコシステム」は、車両の整備業界に革命をもたらす可能性を秘めています。どのような車両でも、正確なデータ分析と適切な整備があれば、事故の発生やその影響を最小限に抑えることができるでしょう。今後の整備業界は、この新しいビジネスモデルを通じて、一層の進化を遂げていくことが期待されます。
会社情報
- 会社名
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ボッシュ株式会社 オートモーティブ アフターマーケット事業部
- 住所
- 東京都渋谷区渋谷3-6-7
- 電話番号
-
03-3400-1551