POLAの神紅ブドウ素材によるスキンケアの新たな可能性
株式会社ポーラのPOLAイノベーションセンターが、神紅ブドウの副梢エキスに関する研究成果を発表しました。この成果は、紫外線による皮脂酸化を抑制する効果を持つことが確認され、2025年にベルギーで開催される第54回欧州研究皮膚科学会でのポスター発表が決定しています。この研究は、島根大学の室田佳恵子教授との共同研究として実施されました。
背景:肌と紫外線の関係
皮脂の酸化は、特に紫外線にさらされることで促進されることが知られています。酸化された皮脂は過酸化脂質となり、肌のバリア機能を低下させる要因となります。これが炎症や乾燥、肌のくすみを引き起こす原因となり、見た目にも影響を与えます。そのため、紫外線から肌を守るための手段を見つけることは、スキンケアにおいて重要なテーマです。
神紅ブドウの特徴と副梢エキスの抽出
神紅は、島根県で開発された新しいブドウ品種で、ベニバラードとシャインマスカットの交配によって生まれました。特にその副梢は、通常廃棄される部分でしたが、この研究によって新たな利用価値が見出されました。研究チームは、廃棄される副梢を50%エタノール水溶液で抽出し、副梢エキスとして調製しました。
研究の成果
研究では、抽出した副梢エキスがオレイン酸と呼ばれる皮脂成分の酸化を抑制することが示されました。紫外線を照射したオレイン酸に対して、副梢エキスを加えることで、過酸化物価が抑えられることが確認されています。この結果から、副梢エキスが紫外線による皮脂の酸化を抑える効果を持つことが実証されました。
欧州研究皮膚科学会での発表
欧州研究皮膚科学会は、皮膚科学分野での権威ある国際学会であり、世界中から選ばれる研究が集まります。当社の研究成果が採択されたことは、この研究が国際的に認められた証拠と言えます。発表することで、さらなる研究の促進や、皮膚科学における新しい視点が提供されることを期待しています。
今後の展望
この研究成果は、スキンケア製品において紫外線対策を考慮した新しい成分の開発につながる可能性があります。また、神紅ブドウの副梢を有効活用することで、地域農業の活性化にも寄与できるでしょう。今後の展開に注目が集まります。
副梢エキスの研究が進む中、POLAはさらに新しいスキンケア製品の開発に期待を寄せており、さらなる科学的な発見が待たれます。