2024年度新卒者の退職代行利用状況の分析
株式会社アルバトロスが運営する退職代行モームリは、2024年度新卒者1,814名を対象にした最新データを公開しました。この調査は、企業への離職率低下支援や労働者向けの退職情報提供を目的としています。ここでは、調査結果の詳細とその解釈をお伝えします。
調査概要
調査は2024年4月1日から2025年2月28日の期間に行われ、全国の新卒社員を対象にしたアンケート形式で実施されました。男女比の情報や地域別利用者数、職種別の傾向が調査されており、その結果は退職代行の利用状況を知る上で非常に貴重なものとなっています。
利用者数の推移
調査によると、2024年度の新卒者による退職代行モームリの利用者数は月別で変動がありました。その中で、最も多かったのが5月の298名を記録し、4月の256名、6月の251名に次いでいます。長期連休の後に利用者数が増加する傾向が見られ、これは多くの新卒社員が職場の実情に対して不安を感じる時期と一致しています。
男女比
この調査では男女の利用比率も明らかにされました。結果として、女性の方がやや多いという結果が出ましたが、全体的に大きな差は見られませんでした。この結果は、女性も男性と同様に職場環境に対する懸念を抱いていることを示しています。
職種別の利用状況
利用者数が多かった職種は、サービス業が318名(17.5%)で、続いて営業職が222名(12.2%)、医療関連が144名(7.9%)となっています。多くの利用者がサービス業や医療関連に集中している理由として、長時間労働や人手不足が指摘されています。
退職理由の分析
この調査では、退職代行を利用した新卒社員の退職理由が重要な分析ポイントとなっています。多くの新卒社員が、入社前に提示された労働条件と実際の勤務環境との乖離を感じており、これは退職の大きな要因となっています。特に、4~6月の時期には約半数がこの理由を挙げています。さらに、入社から3か月後には人間関係による悩みが目立つようになり、いじめやパワハラが退職理由として増加していることが確認されました。
実際の退職理由
具体的な退職理由の中には、入社してからのギャップが多く含まれています。一例としては、入社直後の説明不足や、業務内容が約束したものと異なるといったケースが挙げられます。実際の体験をまとめると、労働環境が新卒社員に与える影響の大きさを改めて認識させられます。入社後の職場環境が適切でない場合、精神的な負担が増し、早期退職の決断を下す要因となることが分かります。
まとめ
この調査結果からは、2024年度新卒者の退職代行利用の傾向が浮き彫りになりました。特に、入社前後や大型連休後の利用者が急増する傾向があり、企業側はこの期間に適切なフォロー体制を構築する必要性があることが示唆されます。更に、業界全体の労働環境改善が求められており、2025年度の新卒社員に向けた労務環境の改善に貢献できるような施策が期待されます。今後も、退職に関するデータサービスを通じて、さらなる調査と情報提供を行っていく予定です。