HERE Technologies、日本の物流業界の課題と未来の技術への展望を発表
HERE Technologiesによる日本の物流業界調査:2024年問題と技術革新
HERE Technologiesが発表したアジア太平洋地域の物流業界調査で、日本の物流業界の実態と将来展望が明らかになりました。1300人(日本100人含む)の企業幹部を対象としたこの調査は、日本の物流業界が現在直面する課題と、将来の技術革新への期待を浮き彫りにしています。
2024年問題と労働力不足
日本の物流業界は、2024年4月からのトラックドライバーの時間外労働規制強化(年間960時間)という大きな課題、「2024年問題」に直面しています。これまで労働力不足をドライバーの残業で補ってきた現状に対し、今回の規制強化は業界に大きな影響を与えるでしょう。
調査では、日本の物流企業の多くがリアルタイムでのサプライチェーン可視化に課題を感じていることが明らかになりました。エンドツーエンドのアセット追跡と荷物の可視化が困難で、技術導入の難しさが最大の障壁となっています。さらに、適切な技術パートナーの発見、導入コスト、社内専門知識の不足なども、技術導入を阻む要因として挙げられています。
技術革新への期待:ブロックチェーン、ドローン、自動運転
一方で、日本の物流業界は未来の技術に大きな期待を寄せています。調査によると、多くの企業がブロックチェーン技術(58%)、ドローン技術(56%)、電気自動車(55%)、自動運転車(51%)への投資を計画しています。これらの技術は、リアルタイムでの情報収集・分析による効率化、労働力不足の解消、顧客満足度の向上に貢献すると期待されています。
顧客満足度と持続可能性:両立への取り組み
日本の物流企業は、顧客満足度向上を重視しており、追跡・モニタリングソリューションの導入においても、顧客第一の戦略を取っています。また、持続可能性への取り組みも重視されており、多くの企業が脱炭素化目標達成に向けた技術導入を検討しています。2050年までに排出量実質ゼロを目指す日本の国策に沿って、環境負荷低減への意識が高まっていると言えるでしょう。
IoT技術の活用とデータに基づく意思決定
すでに多くの日本の物流企業が、IoT技術を導入してリアルタイムモニタリングやデータ収集を行っています。倉庫管理、アセット追跡、在庫管理などが主な用途です。これらのデータは、より正確な意思決定を支援し、業務効率の向上に繋がると期待されています。
企業の声
ジオテクノロジーズ、三菱商事、Frost & Sullivan、HERE Japanの各社からは、2024年問題への対応、技術パートナーシップの重要性、リアルタイム可視化のニーズの高まり、そしてデジタルトランスフォーメーションによる物流業界の変革への期待など、様々な視点からのコメントが寄せられました。
まとめ
HERE Technologiesの調査は、日本の物流業界が技術革新を通じて、2024年問題、労働力不足、顧客満足度向上、持続可能性という複数の課題に同時に取り組む必要があることを示しています。ブロックチェーン、ドローン、自動運転車などの新技術への積極的な投資と、適切な技術パートナーとの連携が、日本の物流業界の未来を左右する重要な鍵となるでしょう。
会社情報
- 会社名
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HERE Japan株式会社
- 住所
- 神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-11金子第1ビル9階
- 電話番号
-
045-476-3704