日本精工がCDPの最高評価「Aリスト」に選出
日本精工株式会社(以下NSK)は、国際非営利団体CDPより気候変動分野の情報開示において、2025年度の最高評価「Aリスト」に選ばれました。さらに、水セキュリティ分野でも上位2位の評価「A-」を受けており、環境への積極的な取り組みが評価されています。
CDP(Carbon Disclosure Project)とは、世界で唯一の独立した環境情報開示システムを運営する団体であり、環境に関する情報開示の国際的な基準となっています。2025年には22,100社以上が情報を開示し、日本国内でも多くのプライム市場上場企業がこの取り組みに参加しています。評価は、ガバナンス、リスクと機会、事業戦略、目標、エンゲージメント等の観点から行われ、企業はリーダーシップレベル(A、A-)、マネジメントレベル(B、B-)、認識レベル(C、C-)、情報開示レベル(D、D-)の8段階に分類されます。
NSKの気候変動への取り組み
NSKはカーボンニュートラルの実現を経営の中心的な課題として位置づけています。気候変動への迅速なアプローチとして、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目指し、自社製品の製造から使用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体を通じて、エネルギー使用量を低減し、CO2排出量の削減を図っています。特に「つくる」プロセスに関しては、サプライチェーンの上流に位置する取引先との連携が重要です。
NSKでは、取引先に対してカーボンニュートラルに関する理念を丁寧に説明し、協力を得ながらエネルギー使用量の可視化やCO2排出量の把握を進めています。また、FY2026に向けた中期経営計画MTP2026では、FY2035までに自社CO2排出量をカーボンニュートラルにすると同時に、FY2017を基準にしてFY2026には自社CO2排出量の半減を目指すとしています。
さらに、NSKは省エネ、技術革新、再生可能エネルギーの導入を進めた結果、FY2024のCO2排出量が42万トンに達し、FY2026の目標を早期に達成しました。これらの取り組みの成果は、有価証券報告書やNSKレポート、さらにはサステナビリティサイトにおいても開示されています。
業界初のCFP算定報告書
2025年には、業界初となる軸受のCFP(カーボンフットプリント)算定報告書を公表し、同年9月にはボールねじ業界においてもCFP算定報告書を公開する予定です。NSKはこれを通じて、エコへの意識が高まる中、さらなる透明性を確保し、消費者と取引先の信頼を築いていきたいと考えています。
NSKは、今後も持続可能な成長と社会的課題の解決に向けて積極的な取り組みを実施し、2050年のネットゼロ社会の実現に寄与していく方針です。SBT認定を受け、科学的アプローチに基づくGHG排出量の削減を進めることで、企業の社会的責任を果たしていきます。
まとめ
NSKのカーボンニュートラルに向けた積極的な取り組みと、CDPからの最高評価は、同社が持続可能な社会の実現に貢献していることを示しています。NSKの姿勢は、今後の企業の環境意識や社会貢献の重要性を再認識させてくれるでしょう。賛同する企業が増え、より良い未来を形成すると期待されます。