蚊を駆除する革新的なマイクロドローン「Tornyol」
株式会社DG Daiwa Ventures(DGDV)が、YCombinatorを通じて投資したTornyol, Inc.の自律型マイクロドローンは、公衆衛生における新たな解決策として注目されています。このドローンは、蚊を物理的に迎撃し、粉砕することでその危険性を取り除くことを目的としています。
蚊がもたらす脅威
歴史的に見ても、蚊はマラリアやデング熱、ジカ熱の媒介者であり、その影響は世界中に広がっています。特に、世界の約半数にあたる40億人がデング熱の危険にさらされています。このような状況で、従来の殺虫剤散布は環境負荷が大きく、また費用対効果も低いため、より持続可能な解決策が必要とされています。
Tornyolの特徴
Tornyolは、24時間体制で特定エリアをパトロールし、蚊を駆除します。使用されている技術は、スマートフォンや駐車支援用のセンサーに用いられる安価な部品と、高度なデジタル信号処理(DSP)です。この組み合わせにより、わずか40グラムのドローンが高性能な駆除装置に進化しました。特筆すべきは、「Set it and forget it」というコンセプトです。このシステムでは、ユーザーが手動でバッテリーの交換や充電を行う必要がなく、ドローンは自律的に蚊を駆除し、ベースステーションに戻って再充電を行います。これにより、人の手を介さずに快適な空間を実現します。
高精度な蚊の検出技術
Tornyolは、蚊の羽の拍動を解析してマイクロドップラー署名をリアルタイムで取得します。この技術によって蚊の種類や位置を特定し、特定したターゲットに対して高速で接近し、プロペラで粉砕するという独自のアルゴリズムが実装されています。この結果、Tornyolはわずか10機のドローンで1平方キロメートルのエリアから蚊を根絶でき、その駆除コストは従来の方法の100分の1にまで削減することができます。
プレオーダーと今後の展望
現在、Tornyolは米国のアーリーアダプター向けにプレオーダーを開始しています。また、今後は政府機関やNGOと連携して、特にマラリア流行地域への展開も視野に入れているとのことです。この技術が広がれば、多くの人々が安全に蚊のいない環境で暮らすことができるようになるでしょう。
DGDVについて
DGDVは、日本を拠点とするベンチャーキャピタルで、シードおよびアーリーステージのスタートアップへの投資を行っています。彼らは、日本国内だけでなく、北米などのグローバル市場においても認知度を高め、革新的な技術の普及を目指しています。DGDVはAIやセキュリティ、フィンテック、ロボティクスなど、幅広い分野に関与し、スタートアップエコシステムの発展に寄与しています。詳細は
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一方、Tornyolの詳細やプレオーダー情報については公式サイト
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