狂言師・石田幸雄の新たな挑戦
狂言界の重鎮である石田幸雄が、50年以上の芸歴を経て、今年の11月に特別なソロ公演を行うことを発表しました。今回の公演は、30年ぶりに上演される芥川龍之介の訳による一人芝居です。伝統芸能の未来を切り開く石田の姿は、多くの人々に感動を与えることでしょう。
人生100年時代を迎え、セカンド・ライフの重要性が問われている中、石田は自らの持つ伝統の技で新しい風を吹き込むことを目指しています。650年以上の歴史をもつ狂言は、通常2人から3人の登場人物で日常の喜怒哀楽を描写しますが、今回は一人語りの形式で、彼が長年培った技術と演技力を駆使します。
狂言の魅力と新たな挑戦
世阿弥の『風姿花伝』に語られる通り、芸の魅力は年齢を重ねるごとに深まります。74歳を迎えた石田は、これまでの経験を振り返りつつ、新たな挑戦に挑む勇気ある姿勢を示しています。石田の創作による新作『神っち』と、もう一つの作品としてフランス文学の一篇が取り上げられ、両作品を通じて異なる表現の深みを楽しめるこの舞台は、観る人に刺激を与えること間違いありません。
プロフィールと功績
石田幸雄は、「万作の会」の中で狂言を牽引する重要な存在です。野村万作に師事し、重要無形文化財の指定を受けており、その演技は大胆かつ緻密で数多くの舞台で高く評価されてきました。日本大学や学習院大学、文化学院で非常勤講師としても後進を育成しており、文化庁や芸術祭の大賞に輝くなど、その業績は多岐にわたります。
最近では、落語と狂言の共通点に注目し、新たな作品発表への意欲を示しています。「曰く、私の大好きな登場人物たちが出てきて、心温まる物語が展開されていくのは本当に素晴らしいことだと思います。」と、期待を寄せる石田自身の言葉が印象的です。
公演情報とチケット販売
本公演は、2023年11月29日から12月2日まで、南青山・銕仙会能楽研修所にて行われます。3回の公演が予定されており、チケットは5,500円から購入可能です。詳細については、公式サイトをチェックすることをお勧めします。
狂言が持つ魅力を多くの人に伝えるべく、石田は自身の芸を通じて新たな創造に挑戦しています。この機会にぜひ彼の舞台を観覧し、伝統と革新の交差点で生まれる新しい狂言の世界を体感してみてはいかがでしょうか。公演についての詳細は
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