いじめを未然に防ぐ新しい試み
2023年3月19日、公益社団法人子どもの発達科学研究所監修の新刊絵本『きみのとなりのクラスピ』が発行されます。この作品は、いじめを「起きてから対処する」のではなく、未然に防ぐことに重きを置いています。いじめの原因を理解し、思いやりの心を育てることがテーマとなっているのです。
本書の特徴
本書は、いじめに関する国内外の研究に基づいており、多くの加害者が自分の行動に無自覚であることを指摘しています。子供たちが「冗談に過ぎない」とか「その子の問題だ」といった誤った思考に陥ってしまう現状を踏まえ、物語は子供たちに自分の行動を振り返るきっかけを与えることを目指しています。
物語にはクラスを見守る妖精「クラスピ」が登場し、子供たちの思いやりのある行動に応じて「いいクラスピ」が現れ、クラスの雰囲気が明るくなります。しかし、思い込みや誤解が生じると「こまったクラスピ」に変わり、いじめの引き金となる行動を引き起こします。こうしたストーリーを通じて、子供たちは「シンキングエラー®」を理解し、相手の気持ちに寄り添うことの重要性を学ぶことができます。
クラスピの誕生
「クラスピ」は、体験型プログラム「いじめ予防ゲミワ」から生まれました。これは、ゲームを通じていじめを未然に防ぐ取り組みで、自治体や学校で広く導入されています。今回の絵本もこの流れを受け継ぎ、より多くの子供たちにいじめの防止について考える機会を提供しようとしています。
監修者のメッセージ
公益社団法人子どもの発達科学研究所所長の和久田学氏は、「いじめの影響は誰にでも及び、未然に防ぐことが大切です」と語ります。また、子供たちが相手の気持ちを想像し、協力し合うことの重要性を訴えています。これは、ただ単に待つのではなく、積極的に学びの環境を作り出すという姿勢からきています。
著者とイラストレーター
今回の絵本は、作・かどかわりょうへいさん、絵・ツダキミノさんによるものです。かどかわさんは、教育に関するゲームやワークショップの開発者であり、教育企業でのキャリアを経てこの作品に取り組みました。ツダキミノさんは、さまざまな教材やまんがのイラストを手がけており、「クラスピ」のデザインも担当しています。
結びに
『きみのとなりのクラスピ』は、いじめの予防について考えるヒントが満載の絵本です。登場するキャラクターたちを通じて、子供たちが自身の行動を見直し、思いやりの心を育む手助けになることを願っています。今後、実践的な読み聞かせや、ゲミワとのコラボによる教育プログラムも展開される予定で、より多くの子供たちに広がることを期待しています。