小学校女性教員向けプログラミング研修「SteP」
特定非営利活動法人みんなのコード(神奈川県横浜市)は、小学校の女性教員を対象にしたプログラミング教育研修プログラム「SteP」の3年間の取り組みをまとめた報告書を公表しました。このプログラムの目的は、教員の情報教育スキルを向上させることです。
1. StePの背景と意義
最近、政府が「女性版骨太の方針2025」を発表し、女子学生の理工系進学を促進する取り組みが求められています。女性教員が情報技術に触れる機会を増やすことは、教育現場の男女格差をなくすために重要です。みんなのコードでは、女性教員が学びやすい環境を整え、プログラミング教育に自信を持って取り組めるよう支援してきました。
2. StePの実施内容
本プログラムには、延べ109名の女性教員が参加し、授業支援や研修を通じてコミュニティ形成を進めました。初年度には、研修と授業実践を行い、参加者同士のつながりを深めるLINEオープンチャットを設立。この交流が継続的な学びに寄与しました。さらに、2期では実践的な教材micro:bitを導入し、現場での授業実践を強化しました。
3. 研修の効果とアンケート結果
研修の効果を調査するために実施したアンケートでは、参加者の多くがプログラミング教育に対する意識が変化したと報告しています。SteP参加後、「プログラミングの授業に自信がある」と答えた教員は22.7%から54.5%へ増え、積極的に授業を行いたいと感じる教員も36.3%から77.2%へと増加しました。
4. 課題と改善点
一方で、参加者が直面した課題も明らかになりました。多忙な業務や家庭・育児の負担が研修参加のハードルとなっていることや、教材や授業実践の定量的な評価が不足していることが挙げられます。また、性別による参加制限が公的機関との連携を難しくしていることも指摘されています。
5. 今後の展望
今後は、より持続可能な形で研修を行い、ジェンダーギャップ解消の取り組みを継続することが重要です。みんなのコードは、テクノロジー分野の多様性を向上させ、すべての子どもに良い未来を提供するために活動を続けていきます。
代表理事の杉之原明子氏は、「女性教員が安心して学び、自信を持てる環境を創造することが、私たちの使命です。これからも現場の声に耳を傾けて、構造的な変化を促進していきたい」とコメントしています。
6. みんなのコードの取り組み
みんなのコードは、テクノロジー教育の普及に向けたさまざまな活動を行っています。公教育の中で情報教育を推進し、プログラミング教材の開発や教員研修の企画などを展開しています。特に、テクノロジー分野におけるジェンダーギャップが課題となっているため、重点的な取り組みを行っています。
このように、StePは単なる教育プログラムにとどまらず、教育現場における男女格差解消に向けての大きな一歩となることを目指しています。