ヤマトマルチチャーター、運用改善に向けた新システムを導入

ヤマトマルチチャーター、運用改善に向けた新システムを導入



背景


運送業界は、労働環境の厳しさからドライバーの健康管理が重要な課題となっています。特に最近では、高齢化が進行し、働く時間の規制が厳しくなっています。こうした中で、健康起因の事故リスクを減少させ、安全で持続可能な物流体制を確立するために、株式会社enstemが提供する「Nobi for Driver」の導入が決定されました。

新システム「Nobi for Driver」の導入


ヤマトマルチチャーターは、2025年7月から「Nobi for Driver」の試験運用を開始し、同年8月には正式な運用を発表しました。このプラットフォームは、ウェアラブル機器によるデータを活用し、ドライバーの健康や安全状態をリアルタイムで可視化します。これにより、疲労やストレスなどの見えにくい兆候を早期に把握することが可能になります。

具体的な効果


試験運用では、いくつかの重要な効果が確認されました。例えば、積み下ろし作業における熱中症リスクが可視化され、特定の作業環境や時間においてリスクが高まることが判明しました。その結果、作業配置や休憩タイミングを見直す必要性が明らかになりました。さらに、深夜の作業においても、ドライバー自身の体感とデータが一致するタイミングでアラートが発生し、リアルタイムでの身体疲労を把握できました。

長距離運行中の疲労に関しても、運行中に疲れが蓄積した際に適切な休憩を取ることで心拍数が回復することが確認され、休息の重要性が改めて認識されました。

今後の展開


今後、ヤマトマルチチャーターは段階的にシステムの導入を拡大し、対象となる拠点や車両を増やしていく計画です。また、事故リスクの関連性を科学的に分析し、予兆検知モデルの開発を進めます。ESG(環境・社会・ガバナンス)や人的資本経営の観点からも、健康・安全に関するKPIを定期的に追跡し、適正な運用の実現を目指します。さらに、将来的には保険や金融などとの連携を通じて、「安全に働くほど報われる」システムの構築を目指す方針です。

コメント


ヤマトマルチチャーターの社長である三浦武氏は、試験運用を通じてドライバーの体感とデータが一致する兆候の可視化が進んでいることを強調しました。さらに、enstemとの連携を深め、より安全性の高いサービスを提供するための取り組みを加速させる意向を示しています。
一方、enstemの代表取締役である山本寛大氏は、予兆管理の精度向上と現場への実装を進めることで、日本の物流業界の安全性と働きがいを向上させることを目指しています。

会社情報


株式会社enstemは、東京都中央区に本社を置き、ノンデスクワーカー向けの健康・安全管理プラットフォームを提供しています。ヤマトマルチチャーターは京都市に本社を有し、物流を担っています。
両社の今後の展開に期待が寄せられています。

会社情報

会社名
株式会社enstem
住所
東京都中央区日本橋浜町3丁目23-1ACN日本橋リバーサイドビル3階
電話番号

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