微細藻類の力を活かした健康科学の未来が拓く新たな可能性

微細藻類の新たな挑戦

2018年に設立された株式会社アルガルバイオ（Algal Bio Co., Ltd.）。この企業は「私たちの地球を救うのは、植物と藻類です。」というスローガンを掲げ、微細藻類の研究開発を通じて人々の健康に寄与することを目指しています。特に、河野重行東京大学名誉教授の先端育種の知見を活かして、微細藻類の普及促進を進めています。

この度、東京大学エッジキャピタルパートナーズ（UTEC）の支援を受け、NEDOが補助する研究開発型スタートアップ支援事業として「微細藻類による、高付加価値の機能性成分の生産法の開発」を実施することが決定しました。助成金を利用し、フードテック、ウェルネス、そしてビューティ向けに、天然由来の機能性成分の商業生産を加速させる取り組みです。

微細藻類の可能性

微細藻類は、世界中に数万から数十万種存在すると言われていますが、実際に産業利用されているのは数十種にとどまります。この理由として、多種多様な微細藻類の株ごとに最適な培養条件が異なることが、実用化に向けた大量培養の技術的課題となっていることが挙げられます。しかし、これを克服するための技術開発が現在進められています。

アルガルバイオでは、NEDOの支援を受け、この大量培養技術を開発し、微細藻類の高度な利用を実現することを目指しています。このプロジェクトにより、単に健康に良い成分を提供するだけでなく、持続可能な方法での生産が可能になることを期待しています。生産される機能性成分は、食品、サプリメント、コスメティクスなどさまざまな分野での応用が見込まれています。これにより、企業の新たなビジネスチャンスも広がり、微細藻類の重要性が一層認識されることでしょう。