山本基の個展が開幕
東京都品川区のYUKIKOMIZUTANIで、現代美術家・山本基の個展「時に宿る – Staying in Time–」が開催されます。期間は2023年4月1日から5月6日まで。山本は、四季の移ろいをテーマにした作品を展示し、特に注目を集めているのが、塩を使った数万枚の桜の花びらからなるインスタレーションです。さらに、デジタルドローイングや平面作品も並び、現代アートの新たな表現を楽しむことができます。
塩と自然の関わり
山本基は「塩」を用いたアートで知られています。浄化や清めを象徴する塩を使って制作された作品は、彼の独特な視点から生まれたものです。特に、床に描かれる巨大な模様は、時間をかけた緻密な作業の成果であり、作品に命を吹き込んでいます。彼は、個展の最終日には「海に還るプロジェクト」を実施します。このプロジェクトは、作品で使用された塩を観客と共に壊すことで、再び海へ戻す試みです。自然のサイクルに塩を返す行為には、多くの参加者が共感し、これまで数千人が関わってきました。
作品の展示
個展で展示される様々な作品は、観客にとって参加型のアート体験を提供します。塩のインスタレーションは、作品と観客の距離を縮めるものであり、その視覚的な美しさはもちろん、視点を変えることの重要性をも考えさせます。展示物には、伝統的な迷宮や渦巻きをモチーフにした平面作品や、蝶をテーマにした新しいシリーズもあり、多角的に楽しむことができます。
開催概要
個展の開催場所やスケジュールは以下の通りです:
- - 会場:YUKIKOMIZUTANI ( 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 1F )
- - 期間:滞在制作 2023年3月25日(土) ~ 3月31日(金)(公開制作は3月30日(木)、31日(金) 13:00-15:00)
- - 展覧会期間:2023年4月1日(土) ~ 5月6日(土)
- - 開館時間:火曜~金曜及び祝日 12:00-18:00 / 日曜・月曜休廊
山本基のプロフィール
1966年に広島県尾道市で生まれた山本基は、金沢美術工芸大学を卒業後、精力的にアート活動を展開しています。彼の作品は、国内外の美術館や展覧会でも多く発表され、近年は企業とのコラボレーションも行っています。特にニューヨーク近代美術館やエルミタージュ美術館、箱根・彫刻の森美術館など、多くの著名な場所で彼の作品が展示されています。
この個展は、山本基の新たな試みに触れる絶好の機会です。身体的なアート体験を通じて、自然とのつながりや時間の流れを感じながら訪れてみてはいかがでしょうか。彼の作品が「時」をどのように提示しているのかをじっくりと鑑賞できるでしょう。