日本酒と健康寿命の新たな可能性を探る津南醸造の取り組み

2025年8月8日、新潟県に本社を構える津南醸造株式会社が、東京都港区のTAKANAWA GATEWAY Link Scholars’ Hubで行われたシンポジウム「日本酒×ロンジェビティ」に登壇しました。このシンポジウムは、リジェネソーム株式会社が主催するもので、発酵の科学と長寿の関連性を探求する場として注目を集めています。

シンポジウムの目的と内容

今回のシンポジウムでは、発酵（Fermentation）と長寿（Longevity）を結びつける研究や事業化の動向が語られました。特に津南醸造は、これまでの日本酒のアップサイクルに関する先進的な取り組みと、日本酒由来のナノ粒子「SAKESOME」の研究協力について発表しました。参加者には、ウェルカムドリンクとして純米大吟醸「GO TERRACE」を試飲する機会も提供され、発酵食品としての日本酒の価値を再考するきっかけとなりました。

科学的背景

長寿命を実現するためには、加齢に伴う酸化ストレスや細胞老化を管理することが重要です。近年の研究では、発酵由来の成分、例えばエルゴチオネインやアグマチン、さらに日本酒由来のナノ粒子「SAKESOME」が、抗酸化機能や血管拡張、細胞間コミュニケーションに寄与する可能性が示されています。このシンポジウムは、伝統的な酒造りと最新のバイオ技術を組み合わせることで、日本酒が持つ新しい可能性を探る場でもあります。

重要ないくつかのトピック

日本酒アップサイクル・プロジェクト

津南醸造は、酒粕や副産物を食品や素材として活用するアプローチを進めており、特に地域のサステナビリティを重視しています。アートやサイエンス、クラフトを融合させた独自の設計で、顧客に対して味や機能性の両立を目指すプロジェクトを進行中です。日本酒由来ナノ粒子についての研究協力も行い、その効用を科学的に検証することを目指しています。

プロダクト体験

シンポジウムでは、GO TERRACEが紹介されました。これは新潟県魚沼地域の特産米「魚沼コシヒカリ」を用いた純米大吟醸で、コシヒカリ特有の甘さと雪解け水のような滑らかさが特徴です。顧客の趣向に応えながらも、伝統的な醸造技術を基盤とした「スマート醸造」の方向性が示され、官能評価とデータを連携させて市場での適合性を高める新たなアプローチも披露されました。

シンポジウムの概要

- テーマ: 日本酒×ロンジェビティの可能性
- 日時: 2025年8月8日（金）18:00–19:00（開場 17:45）
- 会場: LiSH Studio1（東京都港区高輪2-21-1）
- 対象: 企業関係者・研究者・メディア（記者）

シンポジウムのプログラムも充実しており、開場後に「GO TERRACE」の試飲や挨拶、続いて講演、質疑応答が行われました。津南醸造からの発表は、参加者からの注目を集め、発酵技術と健康寿命に関する新しい視点を提供しました。

津南醸造の特色

津南醸造は、新潟県中魚沼郡津南町に本社を構える酒蔵です。豪雪地帯に位置し、標高2000メートルの山々から湧き出る自然の恵みを利用した酒造りが特徴です。地元で育まれた酒米を用い、「共生する未来を醸造する」というブランドコンセプトのもと、持続可能な酒造りを目指しています。

今後も、津南醸造が探求する日本酒と健康への関係には目が離せません。科学と伝統が交差する日本酒の新たな可能性は、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の展開に期待が寄せられます。