DICとエフピコが推進するリサイクル技術
三重県四日市市において、DIC株式会社と株式会社エフピコが共同で取り組む新たなリサイクル技術が、11月に本格稼働を開始しました。これにより、色柄付き発泡食品トレーのマテリアルリサイクルが可能となりました。この技術は、食品パッケージ業界にとって大きな意義を持っています。
溶解分離リサイクル技術の実現
DICは2022年に開発した「Dic法」と呼ばれる溶解分離リサイクル技術を基に、ポリスチレン(PS)の色素を溶解・分離することに成功しました。この技術によって、食品トレーから透明なポリスチレンを取り出すことができるため、リサイクル率が飛躍的に向上します。本設備では、年間約1万トンのリサイクルPSを供給できる体制が整いました。
環境への取り組み
DICは「DIC Vision 2030」に基づき、持続可能な環境作りを目指しています。サステナビリティ戦略を真剣に進め、食品パッケージ業界の全ての関係者と連携し、循環型社会の実現を目指しています。その中で、エフピコとの協力は重要な戦略的パートナーシップとなり、エコ製品の拡大やCO2排出量の削減を進めることが期待されています。
具体的な協力の姿勢
エフピコは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで使用される簡易食品容器の最大手です。顧客との「ストアtoストア」パートナーシップを通じ、環境にやさしい製品や売り場の拡大に努めています。この二社の協業により、エフピコが回収したトレーを原料にしたリサイクル品の利用が進むことで、持続可能な社会の一翼を担うことになります。
将来の展望
両社は、今後もリサイクル量を増やす努力を続け、「ケミカルリサイクル」の技術開発にも取り組む予定です。2026年には新たな設備の稼働を目指し、ハイブリッド化による完全循環型リサイクルの実現を目指していきます。この一連の動きは、持続可能な社会に向けた重要なステップとなります。
最後に
DICとエフピコが四日市工場で実施するマテリアルリサイクルは、環境問題への強いメッセージを発信するものです。この取り組みは多くの業界に影響を与え、持続可能な未来を築く一助となるでしょう。私たち消費者も、こうした取り組みに注目し、日常生活の中でリサイクルを意識した行動を進めていくことが重要です。