鼠径ヘルニアへの理解不足と日帰り手術の需要が明らかに
岡山県岡山市に本院を持つ医療法人Giは、鼠径ヘルニア(脱腸)に関する意識調査を実施しました。この調査では、鼠径ヘルニアの認知度や治療方法に対する印象、特に日帰り手術のニーズについて詳しく分析しています。調査対象は鼠径ヘルニア未経験者1,006人で、調査期間は2025年5月17日から19日の3日間でした。
鼠径ヘルニアとは
鼠径ヘルニアは、腹部の一部が鼠径部を通って飛び出す病気で、一度発症すると自然には治癒せず、通常は外科的手術が必要になります。しかし、この病気の理解度が低く、一般には「良性疾患だから放っておいても大丈夫」といった誤解や、手術への恐怖感が強く影響しています。
病気への印象
調査によれば、鼠径ヘルニアについての印象として最も多かったのは「痛みが強そうな病気」で、53.1%の人がこの印象を持っていました。また「手術が怖そう」との回答も26.2%あり、身体的・心理的な不安を抱く人が多いことが示されました。
発症率の誤解
鼠径ヘルニアの実際の発症率は、男性の約3人に1人が生涯で一度は発症すると言われていますが、調査ではこの認識が低く、多くの人が発症率を過小評価していることが分かりました。実際には、多くの人が「6人に1人」と回答しており、9割近くが実態を把握していないことが伺えます。
治療への理解
治療方法に関する知識では、「手術を受けることで治る」といった認識が70.7%と多数を占めていました。一方で、誤解として「生活習慣を改善すれば治る」と考える人も多く、さらなる情報提供が必要です。
受診しない理由
症状が出た場合に受診しない理由として最も多かったのは「治療が怖い」というもので、28.9%がこれに該当しました。また、「痛みがなければ急がなくて良い」という意見も26.2%あり、見えづらい病状の進行を軽視する危険があることが浮かび上がりました。さらに、恥ずかしさが受診をためらわせる要因ともなっています。
日帰り手術の選択肢
調査結果では、もし手術を受けるとしたら53.3%の人が「日帰り手術」を希望していることが明らかになりました。特に仕事や家庭の事情で長期入院が難しいと感じる方にとって、日帰り手術は非常に魅力的な選択肢です。日帰り手術に対しては「費用が抑えられそう」や「身体への負担が少なく、社会復帰が早い」という評価が高く、このニーズは高まる一方です。
医療機関の選び方
受診する医療機関を選ぶ際のポイントとしては、「医師の専門性・経験」が42.7%と最重要視され、続いて手術費用や治療プランの充実が挙げられる結果に。患者は納得できる条件で安心な治療を受けたいと考えていることが浮かび上がりました。特に成功率や身体へのダメージが少ない点が重要視されています。
結論
調査結果を通じて、鼠径ヘルニアに対する理解不足が広がっていることが浮き彫りになりました。しかし、多くの人が「手術が必要」であると理解しており、特に日帰り手術の需要は高いことが分かりました。治療に関する知識を深め、安心して医療を選択できる環境を整えていくことが重要です。