カルビー初のじゃがいもでんぷんから生まれた代替のり『のりやん』が登場

カルビーが新たに生み出した代替のり『のりやん』

カルビー株式会社が2025年11月5日、東京駅にある「カルビープラス東京駅店」にて、初めてじゃがいもでんぷんを使った代替のり『のりやんだし醤油味/わさび塩味』を数量限定で発売することが発表されました。この画期的な商品は、同社の若手社員のアイデアから生まれたものです。

『のりやん』誕生の背景

カルビーは、次世代に向けた変革を進めるために「Change2025」という3カ年プランを掲げています。その一環として、2023年度からは革新的なアイデアや課題解決に繋がる新規事業の提案を募集する「Innovation＆Beyond Festa」をスタートさせました。この制度によって、若手社員の発想力が引き出され、実際に商品化される機会が生まれています。

第1回のフェスタでは、研究開発本部に所属する工藤凜平さんが「のりやん」を提案しました。彼は新卒3年目の若手社員で、のりの漁獲量が減少し、その価格が高騰しているというニュースを受け、何か手立てができないかと考えたのです。この考えのもと、工場で出たじゃがいものでんぷんを活用し、代替のりを作るアイデアに至りました。

未利用資源の活用

カルビーは創業以来、健康に役立つ商品を生み出すことを目指してきました。現在、国内じゃがいも生産量の約19%を調達しており、ポテトチップスや「じゃがりこ」など様々なスナックを製造しています。未利用な食材を活かした商品開発の精神が根付いている中で、『のりやん』は価格高騰という課題解決と共に、未利用資源の有効活用を図る商品とも言えます。

この製品を開発する過程で、工藤さんたちは何度も試作を重ねました。のりという素材とはまったく異なる組成のため、パリっとした食感や風味を再現するのには非常に苦労したと言いますが、約2年にわたる試行錯誤の末、納得のいく商品に仕上がりました。

商品特徴

素材: のりやんはじゃがいもでんぷんを植物性の素材で色付けし、独自の製法で薄く焼き上げたスナックです。
味わい:
だし醤油味: かつおぶしやほたて、こんぶを使用し、ポテトチップスで人気の風味。
わさび塩味: 「堅あげポテト」としても親しまれる、爽やかな辛味が楽しめるおつまみ感覚の味。
見た目: パッケージはそれぞれの味に合わせたカラーリングで、中央には大きく商品名が書かれており、じゃがいもを使用していることが一目で分かります。
サイズ: チャック付きの小袋に入っており、持ち運びにも便利です。

今後への期待

カルビーは2030年に向けたビジョン「Next Calbee & Beyond」を掲げ、これからも持続可能な商品開発を進めていく考えです。失敗を恐れず挑戦できる企業文化を育むため、新たなアイデアを歓迎する風土が形成されています。

開発者の工藤さんは、今回のアイデアが多くの人々に新たな食の体験を提供できることを願っています。「のりやん」が新たなスナック文化を築く一端を担えることを期待しています。