700年の名著を現代に活かす
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンが新たに刊行した『超訳 歎異抄』は、700年の歴史を持つ仏教の名著で、著者はビジネスの現場での経験を基に現代のビジネスパーソン向けに書かれています。この一冊は、安永雄彦氏が手がけており、彼自身が元銀行員でありコンサルタントという異色の経歴を持つ僧侶であることが特筆すべき点です。
『歎異抄』とはどのような書籍か?
「歎異抄」は、鎌倉時代の後期に著された浄土真宗の教典です。著者の唯円は親鸞の教えを正しく広めるために、この書を残しました。内容は単なる宗教に留まらず、「人間としてどう生きるべきか」という根本的な問いを提起しており、人生哲学書ともいえる作品です。この600ページにわたる芸術は、歴史上一流の思想家や文学者に影響を与えてきました。例えば、司馬遼太郎はこの書を無人島に持って行く一冊として選ぶほどの愛読者でした。
著者のユニークな経歴
安永雄彦氏は、築地本願寺での改革を成功させた僧侶です。銀行員としての経験と、仏教の教えを結び付けた新たな視点での解説が特徴です。彼はビジネスの現場で直面する課題を、仏教の教えから導き出すことで解決の糸口を提供します。「悪人正機」や「他力本願」といった親鸞の教えを、現代の職場環境でも使える具体的なアドバイスへと昇華させています。
読むべき理由
本書は、以下のような悩みを抱えている方に特におすすめです。
- - 自分一人で全てを背負ってしまう
- - 完璧主義で心が疲れている
- - 生きる目的を見失っている
- - 不安に押しつぶされそうになる
各ページは短く、1項目ごとの解説が読みやすいスタイルで展開されています。深刻な問題を感じつつも、どこかホッとするような言葉も散りばめられているため、少しずつ読み進められる一冊です。
書籍概要と目次
本書の目次は次のようになっています:
- - ただ、ひたすらに信じる
- - 「悪」について
- - 弱くていい、愚かでいい
- - 縁というもの
- - 嘆かわしいこと
- - すべてをゆだねる
しかも、最後に超訳版の全文も掲載されており、実際の文体に触れながら理解を深めることができます。
まとめ
『超訳 歎異抄』は、古典的な教えが現代のビジネスシーンでどう活用できるかを示してくれる貴重な資料です。安永氏の豊富な経験に基づく解説が、自分自身の生き方や仕事について考えさせられるきっかけになるでしょう。