和歌山の自然を描く創作歌劇『火具鎚のうた』が上演!新しい風を吹き込む
和歌山市が中心となって進めるプロジェクト「WAKAYAMA SOUNDSCAPE」の一環として、創作歌劇『火具鎚のうた』が無観客上演され、その模様が撮影されるという新しい試みが行われました。これは新型コロナウイルスの影響で、文化芸術の活動が制限される中、若者や子どもたちに文化を体験してもらおうとの意図が込められています。一体、この演劇はどのような内容で、どのような影響を与えるのでしょうか。
物語の舞台は西暦2100年、未来の和歌山市です。主人公は高校生のミーコとカイ、そしてカイの弟ソラ。彼らは、ある日から同じ夢を見るようになり、その夢が次第に広がっていく様子を描いています。現実と夢が交錯する中で、3人が謎を解明するために奔走する姿が観客を惹きつけます。キャラクターデザインは、和歌山市出身の著名漫画家であるさいとう・たかを氏が手掛け、地域に根付いた作品となっています。
この創作歌劇には、オーディションで選ばれた和歌山県出身の若手俳優をはじめ、和歌山児童合唱団や和歌山雅楽会のメンバー、総勢約100名が出演し、迫力ある演出を実現しています。上演は和歌山城西の丸広場の特設ステージで行われ、しっかりとした制作環境が整えられました。過去の観客を招く形式ではないものの、映像と演出を融合させることで、観客を魅了する新たな可能性を見出したかのようです。
新型コロナウイルスの影響で、文化芸術行事が中止や延期となっている中、無観客での上演は大胆な演出が可能になります。撮影には6台のカメラが使用され、ライトアップされた和歌山城を背景に、色とりどりのレーザーやLEDの演出が施されています。今後、撮影した映像を編集し、配信映像を公開する予定で、演劇の新たな視点を提供します。
物語は1400万年前の紀伊半島での世界最大の火山噴火を題材にしており、和歌山の地理的名所も多く登場します。これにより、和歌山の豊かな自然や歴史を伝えることが期待されています。『火具鎚のうた』は、ただの演劇としてだけでなく、地域の文化を発信する重要な作品にもなります。
出演者の方々もこの作品への思いを語ります。ミーコ役の土井美咲さんは、初めての本格的な演劇に挑む中で、驚きや学びを経験しているとし、環境問題やSNSについて考え直すきっかけになる作品だと話しています。また、カイ役の中西弘志さんも、和歌山弁や名所を取り入れた楽しい取り組みであることを伝え、コロナ禍で気持ちが沈む中、作品が希望をもたらすことを願っています。
一方、ソラ役の藤田晴さんは、稽古を通じて貴重な経験を積んだとしており、高校生たちにもぜひ見てもらいたいとこぼしました。こうした主役たちの成長や思いが、観客に感銘を与えることでしょう。
開催概要
この創作歌劇は、和歌山の自然や芸術を改めて感じさせてくれる作品として、多くの人々に届くことが期待されています。