キャセイカーゴの新たな挑戦:生鮮品の迅速輸送システム
香港を本拠地とするキャセイカーゴは、最近、「エア・ランド・フレッシュレーン」という新しい輸送システムを導入しました。このシステムは、広東省と香港特別行政区が共同で推進し、特に生鮮品のインターモーダル輸送に特化しています。これにより、代替的な流通手段を求める市場のニーズに応えることが可能となりました。
新システムの仕組み
「エア・ランド・フレッシュレーン」により、香港国際空港を起点に、多種多様な生鮮貨物が珠海を経由して、さらに広範囲なグレーターベイエリア(GBA)へと輸送されます。生鮮品には、フルーツや生きた水産物、冷蔵されたシーフードが含まれており、これらはすべて温度管理トラックによって確実に配送されます。
このシステムでは、電子ロックとGPS機能を備えたトラックにおいて、単一の航空貨物運送状(AWB)を基にした効率的な物流プロセスが確立されます。これにより、品質の保持において重要なコールドチェーンが維持され、消費者にとって新鮮な状態で製品が届けられます。
中国本土へのスムーズな輸入
さらに、香港税関による「転送確認証明書」が付与されることで、生鮮品の中国本土への輸入がより効率的に行えるようになります。この証明書によって、食品輸入業者の登録義務が免除され、物流全体の迅速化が進みます。これにより、顧客企業にかかるコストの削減にもつながります。
新設された検査施設
珠海港に新設された統合検査施設では、温度管理された状態での検査が可能となり、迅速な手続きが実現しました。これにより、生鮮品の品質を保持しつつ、国境をスムーズに通過することができるのです。
試験輸送の成功
このシステムの初便は8月中旬に運行され、メルボルンから輸送された活ロブスターが搭載されました。さらには、ロサンゼルスからの活ミル貝も続き、同システムの有効性が実証されました。トラックへの積み替えもスムーズだったため、輸送の遅延なしに国境を越えることができました。
キャセイカーゴの成長
キャセイカーゴは、国際航空運送協会(IATA)から認定された「CEIV Fresh」認証を取得しており、輸送中の温度管理が保証されています。そのため、顧客企業は安心して生鮮品を輸送することが可能です。このコールドチェーンは、香港からGBA内の他のインターモーダル輸送ネットワークと連携しており、複数の都市への迅速なアクセスが提供されています。
まとめ
キャセイカーゴのジェームズ・エバンス氏は「新たに開設された『エア・ランド・フレッシュレーン』は、GBA市場における生鮮品の流通において非常に大きな意味を持つことが期待できます。」と語っています。これにより、香港国際空港は最も忙しい貨物ハブとしての地位をさらに強固なものにするでしょう。キャセイカーゴが展開するこの革新的な取り組みは、消費者に高品質な製品を届けるための重要なステップとなることが期待されています。