目の難病を抱える高校生の挑戦
目の難病を抱える高校生が、大学入学共通テストにおいて、株式会社LoiLoが提供する学習支援アプリ「ロイロノート・スクール」を利用した事例が報告されています。この取り組みは、学生が日常的に使用するICT環境を受験でも継続できる点において、今後の入試運用における合理的配慮の新たなモデルとなるでしょう。
「レーベル遺伝性視神経症」との闘い
この高校生は、2年生の春に「レーベル遺伝性視神経症」という難病を発症しました。ミトコンドリアの遺伝子変異によって網膜細胞が侵され、視力が短期間で低下し、中心視野を失ってしまいました。早い段階から学習が紙の教材では困難になり、特に夏には苦しんでいました。しかし、彼は学習を諦めることなく、さまざまな手段を駆使して勉強を続けました。
受験上の配慮申請の過程
高校3年の夏、本学生は独立行政法人大学入試センターに受験上の配慮を求める申請書を提出しました。この際、LoiLoにも助言を求め、同社から大学入試センターに必要な機材やセキュリティ要件について協力を行いました。結果的に、ロイロノートを使用した共通テストの受験が認められることとなり、これは特に画期的な事例でした。
ロイロノートを駆使した学習
高校生は授業で配布された資料をロイロノートに保存し、自習の際には問題用紙を撮影してPDFフォーマットのカードにまとめました。この方法で、問題を参照しつつその隣に解答スペースを確保することができました。また、間違えた問題は参考書のページを関連付けて復習するなど、学習の効率化を図っていました。
試験当日の体験
共通テストの日、学生はオフライン環境のタブレットでロイロノートを起動し、普段の学習方法そのままで試験に臨みました。画面を拡大してもペンの線が太くならず、文字や線が潰れなかったため、視力が低下した状態でも問題なく記入が可能でした。マークシートへの記入は補助者が行い、「普段通りの感覚で解くことができた」と彼は振り返ります。
合格後の活躍
共通テストを経て、大学の個別試験でもロイロノートが利用され、一部を除く複数の試験で使用が許可されました。この学生は、複数の大学に合格し、2026年4月から大学生活をスタートさせました。現在でもロイロノートは個人の学習支援に役立っており、多くの学生にとっての便利なツールとして定着しています。
今後の展望と呼びかけ
大学入試における合理的配慮は、個々の状況に応じたサポートが重要です。ICT技術の活用は、特に障害を抱える受験生にとって大きな助けとなります。保護者は「使い慣れた環境で受験できたことが大きな助けになった。似た状況の受験生にも、配慮申請の方法を知ってほしい」と語ります。これからも、関係機関が連携しながら、試験の公平性と配慮の可能性を広げていくことが求められるでしょう。
今回の事例は、ぜひ他の受験生にも参考にしてほしい取り組みです。一緒に学びを深めることが、未来に希望をつなぐ道となります。