名作映画『東京物語』を朗読劇として再現する新たな試み
今年の冬、朗読劇として新たに生まれ変わる名作映画『東京物語』が、2025年2月5日から9日までの期間に三越劇場で上演されます。この作品は、クラシック映画リーディングシリーズの第4弾として、これまで『ローマの休日』や『風と共に去りぬ』などの名作を手がけてきたプロジェクトの一環です。
本作は、小津安二郎監督による戦後の日本における家族の姿を描いた名作。演出は野坂実、脚本には鈴木智晴が名を連ねています。主演には愛月ひかるを迎え、中尾隆聖、白石珠江(劇団民藝)、斉藤レイ、平田裕香、広瀬登紀江、馬場良馬、内海光司など、実力派のキャストが集結します。これにより、深い感情表現やリアリティあふれる家族のドラマが繰り広げられることでしょう。
作品の魅力とは?
朗読劇という形式は、視覚的要素を削ぎ落とし、役者の声や表情だけで物語を語るものです。そのため、今回の上演では、日本語の美しさや、方言を取り入れた言葉使いの魅力が一層強調されることが期待されています。観客は、登場人物たちの心の葛藤や、家族間のつながりを、より近くに感じられることでしょう。
キャスト陣は、各自の役を深く理解し、そのキャラクターの心情や背景を忠実に表現することを目指しています。中尾隆聖は、「明日が初日ですから、どう観てもらえるかにワクワクしています」と語り、自身が演じるキャラクターに込められた家族の絆の深さについて触れました。
また、愛月は「この劇場は一年前から来ていなかったので、クラシカルな雰囲気がとても似合うと思っています」と、舞台への思いを語り、初めての日本人女性役に挑むことへの緊張感を明かしました。
家族の絆を描く
この作品が持つ魅力の一つは、観客それぞれが異なる観点で登場人物に共感できる点です。斉藤レイは、映画で演じた志げという役に言及し、共感できるセリフに心を打たれたと語ります。また、平田裕香は、自分の祖父との思い出を重ね合わせることで、感情が深く揺さぶられるシーンについて触れました。
内海光司は初舞台を迎え、「顔合わせの数分後に通し稽古が始まるという、非常にスピード感のある現場でした。このエネルギーを大切に、千秋楽まで全力で取り組みたい」と意気込みを語っています。
時代を越えた普遍的なテーマ
『東京物語』は、家庭や人間関係の本質に迫る普遍的なテーマを持っています。昔の日本の家庭の風景が描かれているだけでなく、現代にも響くメッセージを持つ作品であり、観客は家族や大切な人に会いたくなる気持ちになることでしょう。最後に、愛月が「時代を超えて愛される作品に、共演者の皆さんと挑めることを嬉しく思います」と締めくくり、観客に温かさと深みを伝えることを約束しました。
公演情報
- - タイトル: Classic Movie Reading Vol.4『東京物語』
- - 公演日程: 2025年2月5日(水)~9日(日)
- - 会場: 三越劇場(東京都中央区日本橋室町1-4-1)
- - チケット: 前売・当日9,900円(全席指定・税込)
ぜひ、この素晴らしい朗読劇を劇場でお楽しみいただき、大切な人との絆を再確認してください。