フィリップス・オークション ニューヨーク
フィリップス・オークションは、2025年5月13日午後5時(米東部時間)、ニューヨークのパークアベニュー432番地で、モダン&コンテンポラリーアート・イブニングセールを開催します。今回、このセールの特徴的な出品作品が公開され、多数の市場初登場作品が揃います。出品予定の全40ロットの約90%は、一度もオークションに登場したことがないか、15年以上の年月を経て再び公の場に出るものです具体的には、ジャン=ミシェル・バスキアやパブロ・ピカソ、エド・ルシェ、ゲルハルト・リヒター、ドナルド・ジャッドといった20世紀の著名なアーティストの名作が出揃い、さまざまなジャンルで高い需要が見込まれます。
オークションに向けて、5月3日から13日までの期間には一般向けの下見会も開催され、出品作品に触れる機会が提供されます。さらに、翌14日にはモダン&コンテンポラリーアート・デイセールが午前と午後の2つのセッションで行われる予定です。
作品のハイライト
イブニングセールには、特に注目すべき作品が多数予定されています。中でも、ジャン=ミシェル・バスキアの《Untitled》(1984)は彼の象徴的なスタイルが色濃く反映された一点。コラージュやアクリル、スプレーペイントを駆使したこの作品は、バスキア自身の伝記を描写し、視覚的な言語と社会政治的なテーマを融合させた重要な作品とされています。特に、この作品はバスキアの支援者であるブルーノ・ビショフベルガーからデヴィッド・ボウイを経て現在に至るまでの物語を持っており、過去の重要なコレクションを代表する作品になります。予想落札価格は4,500,000から6,500,000米ドルに達する見込みです。
続いて、パブロ・ピカソの《Homme et femme à table》も注目作の一つです。この作品は、初期ピカソの特長が顕著に現れたもので、彼の友人との交流が垣間見える一枚です。予想落札価格は4,000,000から6,000,000米ドル。この作品は、かつてアメリカの有名なコレクター一家によって所蔵されており、多面的な詮索と文化への興味が反映されています。
また、ゲルハルト・リヒターの《Mann mit zwei Kindern》(1966)も市場初登場作品で、高い評価が期待されている作品です。この作品はリヒターの親友であるジグマー・ポルケの幼少期を描いたものであり、友情をテーマにした感動的なオマージュとなっています。予想落札価格は4,000,000から6,000,000米ドルです。
さらに、ドナルド・ジャッドの《Untitled》(1981)も重要な作品として挙げられます。これは、素材と色彩を探求した成熟期の表現を示しており、彼の後の作品群に影響を与える重要な役割を果たしています。
その他の出品作品
他にも、エド・ルシェの《Alvarado to Doheny》(1998)やバスキアの《Untitled》(1985–1986)も特筆すべき作品として注目されています。特に、リヒターの作品は、彼の代表的なフォト・ペインティングの一つで、予想落札価格は4,000,000から6,000,000米ドル。さらに市場に新たに出てくる作品群は、いずれもコレクターやアート愛好者にとっては見逃せないチャンスを提供しています。
テーブルの上に描かれたピカソの作品から、時代を超えたアートの魅力を楽しむことができる時間が期待されています。5月14日のデイセールも含め、どの作品が新たなオーナーへと引き継がれるのか、非常に楽しみです。今年のフィリップス・オークションは、現代アートの祭典となること間違いなしです。