広島市安芸区におけるEVバスの運行と再生可能エネルギーの取り組み
広島市安芸区に位置する住宅団地「みどり坂」では、2025年10月から2026年9月までの1年間にわたり、地域の太陽光余剰電力を利用したEVバス運行が開始される。このプロジェクトは、住宅内の太陽光発電と地域交通を結びつけた革新的な試みであり、住民に持続可能な移動手段を提供することを目指している。
地域由来のエネルギーで走るEVバス
「みどり坂」団地では、積水ハウスのオーナーから購入した太陽光余剰電力「積水ハウスオーナーでんき」と、同団地に設置した40kWの太陽光発電設備により生成された電力が、EVバスの運行に必要な電力量を上回ることが期待されている。この試みは、地域内でのエネルギー循環を可能にし、環境負荷を低減する新たな生活スタイルを実現するものである。
持続可能なまちづくりと地域交通の新しいかたち
「みどり坂」は、JR瀬野駅から約200メートルの高低差がある丘陵地帯に広がる住宅団地であり、約2,300世帯、7,000人以上の住民が暮らす。地域内では、多くの家族が自然豊かな環境で育まれており、交通手段の確保が生活の重要な要素とされています。1998年から地域交通を支えてきた「スカイレール」の運行に続き、EVバスが新たな公共交通手段として登場し、日常生活を支えるインフラとなる。
EVバスの運行は、スカイレールサービス株式会社が地元の芸陽バスに委託して行われ、地域住民に広く利用されることが期待されています。新たな交通手段として、日常的な移動だけではなく、災害時の電源供給機能も想定されており、その役割は多岐にわたる。
EVバスの災害時利用
2025年8月には、広島市、みどり坂町内会の自主防災会、スカイレールサービス株式会社および芸陽バス株式会社の四者間で、EVバスの災害時の給電機能を活用する協定が締結された。この協定により、避難所での携帯電話などの充電や医療機器の動常時利用が可能になる見込みだ。EVバスには、280kWhの蓄電池が搭載されており、USBコンセントが各座席に設けられることで、住民の緊急時のニーズにも対応できる。
積水ハウスによる脱炭素化の取り組み
この取り組みは、積水ハウスが2050年にカーボンニュートラルを目指す一環として進めているものである。「住まい」「エネルギー」「モビリティ」の融合は、地域資源を最大限に活用する持続可能な未来のための重要な一歩と位置付けられている。これにより、地域内でのエネルギーの循環利用が進み、低炭素社会の実現に寄与することが期待されている。
みどり坂を支える地域の力
広島市安芸区のみどり坂は、自然環境を大切にしつつも、住みやすいインフラを兼ね備えた地域であり、住民の手による再生可能エネルギーの活用が進んでいる。エコシステムとして機能するこの地域は、今後も多様な取り組みを通じて、持続可能な社会を実現していくことだろう。
「積水ハウス」による「みどり坂」は、ただの住宅団地ではなく、地域全体が環境への配慮を持ちながらも、地域交通を支える選択肢を広げていく新しいまちづくりのモデルケースとして注目される。未来に向けての一歩を踏み出した「みどり坂」の今後の展開に期待が寄せられている。