大阪関西万博2025におけるピエモンテ州の取り組み
2025年9月28日から10月4日までの間、大阪関西万博ではイタリアパビリオンにおいて、ピエモンテ州の魅力を紹介するイベントが盛況に開催されました。このイベントは、多岐にわたるビジネスセミナーや交流の場となり、さらなる日本との関係を深めることを目指しました。
古き織機、新しいビジョン
イベントは「古き織機、新しいビジョン」というテーマでスタートし、ピエモンテ州の歴史ある絹織産業と日本の結びつきを探るものでした。この講演は9月28日午後にイタリア館のオーディトリアムで行われ、多くの観客が集まりました。長い歴史の中で培われた伝統が国際協力のプラットフォームとして活用され、ピエモンテと日本の繋がりの深さを再認識する場となりました。実際、19世紀からピエモンテの職人たちが日本の製糸業者と交流を持っていたことが述べられ、今後の発展に向けたビジョンが共有されました。
UNESCO・世界遺産のセミナー
続いて、9月29日午前には「ピエモンテ州UNESCO・世界遺産の旅」をテーマにしたセミナーが行われました。このセミナーでは、州内の歴史的建物や美しい風景が視覚的に紹介され、参加者はピエモンテの深い文化的アイデンティティを理解する機会を持ちました。特に、ランゲ=ロエロとモンフェラートのブドウ畑やサン・ミケーレ修道院、サヴォイア家の宮殿群など、多様な文化遺産が話題に上がりました。
Investing in Piemonteフォーラム
同日の午後には、「Investing in Piemonte」と題したフォーラムが開催され、イタリア企業とメイド・イン・イタリー省の共催で行われました。この中では、ピエモンテ州の産業を日本の投資家にアピールする機会となり、特に医薬品産業のProcos S.p.A.が新たな投資計画を発表しました。9年間で1億5,000万ユーロの投資を予定し、生産拠点の拡張が図られることが明らかにされました。
バイオテクノロジーのラウンドテーブル
その翌日、9月30日には場所をイタリア館のオーディトリアムに移し、ピエモンテ州と神戸バイオメディカル・イノベーションクラスター(KBIC)の共催によるラウンドテーブルが開催されました。この会議では、生命科学に関連する課題や研究について意見が交わされ、最終的には両者間で覚書が締結されました。これにより、中小企業にとって相互アクセスが容易になることが期待されています。
音楽文化の紹介コンサート
ピエモンテ州出身のバイオリニスト、マウロ・イウラート氏のコンサートも大変盛況でした。9月28日から30日の間、イタリア館円形劇場で彼のパフォーマンスが行われ、伝統的な音楽文化を国際的な観客に対して紹介しました。また、10月2日には大阪市中央公会堂で「エキスポ・フレンドシップ・コンサート」に出演し、チケットは瞬時に完売するほどの人気を博しました。
これらのイベントを通じて、ピエモンテ州の魅力や日本とのさらなる交流の重要性が改めて感じられる機会となりました。未来に向けて両地域の関係がより一層強化されることが期待されます。