第34回小川未明文学賞の贈呈式開催
2026年3月27日、東京・品川の学研本社ビルで第34回小川未明文学賞の贈呈式が執り行われました。この文学賞は、新潟県上越市出身の児童文学作家・小川未明の精神を受け継ぎ、新しい時代にふさわしい創作児童文学を促進するために1991年に設立されました。
今年は、合計802編の作品が応募され、その中から大賞に樹あゆりさんの「うどんの神さま」、優秀賞に隅垣健さんの「おとぎ電車と宵待の橋」が選ばれました。大賞受賞者には賞金100万円と『定本小川未明童話全集』が、優秀賞受賞者には賞金20万円と『名作童話小川未明30選』が贈呈されました。
受賞作品の内容
大賞作品「うどんの神さま」は、老舗のうどん店に育つ小学生の河野陽翔(こうのはると)とその兄・悠真(ゆうま)が主人公です。物語は、10年前に家族を残して都会へ出た父と再会するところから幕を開けます。上越市の小菅淳一市長は、この作品について、活き活きとした主人公の視点から描かれる物語のテンポが素晴らしく、読者があっという間に物語の世界に引き込まれると賞賛しました。また、選考委員の小埜裕二教授は、「うどんの匂いや味が、登場人物たちの心のつながりを強化する」と文学的な深みを称えました。
優秀賞の「おとぎ電車と宵待の橋」は、ダムの底に沈んだ村に興味を持つ小学5年生の賢一が、なくなった弟を追って昭和の世界へタイムスリップする物語です。最終選考委員の小川英晴氏は、この作品が心温まる文体で書かれていると評価し、タイトルの持つノスタルジックな雰囲気が作品に生命を与えていると語りました。
受賞者の言葉
大賞を受賞した樹あゆりさんは、主人公のキャラクターが最初に思いつき、物語はそこから生まれたと振り返りました。「最後まで書き続けて本当に良かった」と感謝の意を表しました。優秀賞の隅垣健さんは、創作のインスピレーションが京都の「おとぎ電車」にあることを述べ、読者に新たな体験を提供する作品作りに尽力することを誓いました。
また、新たな文学作品の展開へ
贈呈式の後には、朗読会が行われ、唐ひづるさんと大澤桃代さんによる作品の朗読が披露され、会場が作品の世界観に包み込まれました。
「うどんの神さま」は2026年11月頃に株式会社 Gakkenより書籍として出版される予定です。小川未明文学賞の今後の募集や過去の受賞作については、公式ホームページをぜひご覧ください。
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