創業メンバーが語る「PR WIRE」の25年と挑戦
株式会社共同通信PRワイヤーが発表した特別インタビューの第3回は、創業メンバーである大鹿伸生氏と芝根秀和氏の対談でした。テーマは「構想を、事業に。『世界標準のワイヤーサービス』を日本で形にした二人の挑戦」。このインタビューは、プレスリリース配信サービス「PR WIRE」の成り立ちと、両名のビジョン、そして日本の情報発信の現状に迫る内容です。
海外のスタンダードを取り入れた道のり
大鹿氏は元々共同通信社の記者として、国際報道に従事していました。特にロンドンでの経験から「プレスリリース専門の通信社から情報を受け取る」という文化を見てきました。日本ではその当時、企業が自ら情報を発信する仕組みは未発達で、報道に日本企業の言葉が載ることは稀でした。このことから、「なぜ日本企業は自社の話をしないのか」という課題が生まれました。
芝根氏もまた、大鹿氏から「ワイヤーに流さなければ情報を開示したことにならない」という考えを聞き、自国でも同様の考えが広がることを期待しました。これが彼らが「PR WIRE」を構想する原点となったのです。
時期尚早とされた事業化の挑戦
共同通信社と電通PRが協力して、国内向けプレスリリース配信事業の設立を検討しましたが、当初は「時期尚早」との意見がありました。伝統的な手法が主流の中、電子配信サービスの市場を創造するための仕切り直しが必要でした。2001年9月に「PR WIRE」がサービスを開始した時、実際にはプレスリリースの電子的配信自体がなかったため、市場を作り上げる必要がありました。芝根氏は、これを「市場創造から始めなければならなかった」と振り返ります。
初期の原則とその背景
大鹿氏と芝根氏は、初期の段階で「会員制」「内容の編集を行わない」「必ず問い合わせ先を記載する」という原則を設定しました。会員制を設けた目的は、偽情報が出ることを防ぐ責任を発信者に求めるためでした。また、内容そのものを編集しない原則も強く支持され、プレスリリースの重要性を伝える役割が期待されました。特に、JBN時代に内容を編集してしまった際に顧客からの信頼を失った経験が、編集しない原則の確立につながったと大鹿氏は語ります。
AI時代における一次情報の価値
現在、SNSやAIが広がる時代において、芝根氏は「誤情報や偽情報が氾濫する中で、プレスリリースという一次情報の価値が高まっている」と述べています。彼らは創業以来の思いを次の25年へどう伝えていくか、さらなる信頼を築く方法についても話し合いました。その中で「信頼される企業から、信頼されるメディアを通じて、信頼の循環を大切にしたい」との意見が共通していました。
連載「PR WIRE 25周年 特別インタビュー」の意義
本特別インタビューは、PR WIREの25周年を記念し、企業広報の役割やプレスリリースの変遷について探求しています。第1回は大和ハウス工業の広報担当者のインタビュー、第2回は当社の取締役国田氏との対話が行われました。今後もこの連載には、様々な視点からのインタビューが続いていく予定です。
25年間の歴史を持つ「PR WIRE」は、創業時からの理念を基に、日本のプレスリリース配信のあり方を変えつつ、今後の発展を目指しています。この特別インタビューを通して、彼らの挑戦や思いを知ることができ、今後の情報発信に対する期待も膨らむことでしょう。