五木寛之の恋愛小説集第5弾が登場！『五木寛之セレクションⅤ』

五木寛之の恋愛小説集『五木寛之セレクションⅤ』が刊行

2024年10月28日、東京書籍株式会社より『五木寛之セレクションⅤ【恋愛小説集】』が発売されました。著者の五木寛之が描く恋愛小説の名作が、この一冊に集結しています。この作品集には、五木文学を代表する二大恋愛小説「燃える秋」と「冬のひまわり」が収録されており、その魅力を存分に味わうことができます。

五木寛之が描く、恋愛のさまざまな側面

「燃える秋」は、祇園祭が彩る美しい京都から始まり、灼熱のペルシャへと舞台が移る愛の物語です。ヒロインの亜希は、彼女の生き方を模索し、ペルシャの荒野に身を置くことになります。彼女の周囲には、市場で出会う老女や幼女がいて、彼女の人生がどのように形作られていくのかが描かれています。この作品は映画化もされ、作詞を五木寛之、作曲を武満徹が担当した音楽も特筆すべき点です。本書には、その貴重な楽譜も掲載されています。

一方、「冬のひまわり」は、夏の鈴鹿サーキットを舞台にした恋愛物語です。ヒロイン麻子の初恋の思い出が秘められており、彼女は鈴鹿のレース観戦中の特別な場所で過ごす時の流れを描いています。二人の青年との出会いや、さらに時間が経つにつれて麻子が直面する選択が、物語に深みを与えています。観客席外れの唯一海が見える場所でのささやかな再会のシーンは、名場面として語り継がれています。

作品誕生秘話と五木寛之の魅力

本作品には、幻冬舎社長の見城徹との対談解説も収録されています。この対談は、作品誕生の裏話や、作品に対する深い考察を提供しており、五木寛之の優しさや人間観に触れる貴重な機会です。見城徹は、五木の作品に対する特別な思い入れを持ち、彼自身が「燃える秋」の成功に寄与した人物でもあります。この二人による対談は、単なる解説を超え、文学的な深さを一層引き立てる内容となっています。