出光興産株式会社が、マレーシアのサラワク州沖合に位置する油ガス田探鉱事業に新たに参入しました。
その背景には、アジア太平洋地域でのエネルギー需要の高まりと、持続可能なエネルギー供給に向けた市場の変化があります。当社が取得したのは、SK427とKetapu Clusterという二つの鉱区の権益であり、韓国のSK earthon社からの取得となります。このプロジェクトは、出光興産がエネルギー供給責任を果たす上での重要な一歩と位置付けられています。
具体的には、取得した権益は全体の40%であり、この契約によりマレーシア国営石油会社PETRONASと現地の州営石油・ガス会社であるPSEP、協力会社と共に探鉱から生産に至る権利を得ることになります。調印式が行われたことは、日本市場における出光興産の積極的な展開を示すものです。
近年、マレーシアは複数の油ガス田が発見されており、2023年の地下探査データからも将来性のある構造が見つかっています。このプロジェクトは、出光興産にとって、アジア地域に新たな拠点を構築するための重要な足掛かりとなることが期待されています。また、自社の子会社である出光サラワク資源開発を通じて行われるこのプロジェクトでは、エネルギー・金属鉱物資源機構からの補助を受けることも見込まれています。
出光興産は2050年までにカーボンニュートラル社会の実現を目指しており、持続可能なエネルギー供給に向けた取り組みとして東南アジアにおける開発が重要視されています。この地域での油ガス田開発は、日本のエネルギー安全保障にも寄与するものであり、今後の展開に期待が寄せられています。また、PETRONASとの連携により、新たなカーボンニュートラル事業、特にCarbon Capture and Storage(CCS)技術の導入についても検討が進められる予定です。
SK427鉱区の概要は以下の通りです。
- - 鉱区名:Block SK427
- - 鉱区面積:約3,324㎢
- - 水深:10-50m
- - パートナーおよび権益比率は、SK earthonが45%(オペレーター)、PSEPが15%、出光サラワクが40%となっています。
また、Ketapu Cluster鉱区については、以下のような概要です。
- - 鉱区名:Ketapu Cluster
- - 鉱区面積:約27㎢
- - 水深:10-50m
- - パートナーおよび権益比率は、SK earthonが45%(オペレーター)、PSEPが15%、出光サラワクが40%です。
出光興産株式会社は、今回の探鉱事業の進展を通じて、エネルギーの安定供給と持続可能な事業運営に寄与することを目指します。今後の動向に注目です。