2023年度の電気通信番号使用状況総覧 - 固定電話は減少、携帯電話は増加傾向
2023年度の電気通信番号使用状況概要
昨年8月30日、総務省は令和5年度(2023年度)の電気通信番号に関する使用状況を公表しました。この報告は、電気通信事業者から受け取ったデータに基づいており、固定電話、IP電話、携帯電話の番号使用に関する重要な情報を提供しています。
固定電話番号の動向
2023年度末時点での固定電話用の0AB〜J番号の使用数は、約5,385万番号となり、前年から約159万番号の減少が見られました。この減少は約2.9%にあたります。固定電話の需要は年々減少しており、スマートフォンやIP電話による通信の普及が影響を与えているのが伺えます。
IP電話の成長
一方、IP電話用の050番号は約973万番号に達し、前年から約7万番号の増加(約0.7%増)が確認されています。特に、インターネット環境の向上や価格の安定がIP電話の成長を支えていると考えられます。利用者の利便性が高まる中、今後もほぼ横ばいで推移すると見込まれています。
携帯電話番号の増加
携帯電話用の070/080/090番号は、約18,783万番号に上り、前年から約369万番号増加(約2.0%増)しました。このデータは携帯電話サービスの継続的な人気を示しており、特に若年層の利用者増加が後押ししているとされます。
番号ポータビリティの状況
しかし、番号ポータビリティに関するデータは約953万番号で、前年から約7万番号の減少(約0.7%減)が見られました。これは、利用者のキャリアの移動が減少していることを示唆しています。常に競争が繰り広げられる通信業界において、番号ポータビリティの重要性は依然として高いものの、状況に変化が生じていることが考えられます。
結論
総じて、令和5年度の電気通信番号使用状況は、固定電話の減少、IP電話の稳定した状況、携帯電話番号の増加という特長が際立っています。このデータは、今後の通信業界の発展や需要の変化に関する貴重な情報源となるでしょう。通信市場の動向を見極めるためには、こうした統計に基づいた洞察が欠かせないものとなっています。