立命館大学発スタートアップPatentixが7億超の資金調達を実施
立命館大学発スタートアップPatentixが新たな一歩を踏み出す
2022年12月に設立されたPatentix株式会社は、滋賀県草津市を拠点に、次世代パワーデバイスに不可欠な超ワイドバンドギャップ(UWBG)半導体材料「二酸化ゲルマニウム(GeO₂)」の研究開発と製造販売を行っています。最近、同社はシリーズAラウンドにおいて、約7億1,900万円の資金調達を達成しました。この資金は、2022年12月以降の調達額を合計で10億5,900万円に押し上げるものとなります。
資金調達の背景と目的
この資金調達の背景には、EV(電気自動車)やAIに関連するデータセンターの電力消費の増加、CO₂排出量削減のニーズの高まり、エネルギーコスト上昇、および移動体関連装置の小型化ニーズがあります。特に、GeO₂半導体は他のUWBG半導体候補に比べて難しいp型n型の両方を実現可能であり、コスト競争力にも優れているため、急速に注目を集めています。
Patentixは、新材料GeO₂の社会実装に向けて着実に歩を進めており、今後は以下の4つの施策を重点的に進める予定です:
1. 研究開発の加速
2. 製造体制やサンプル出荷の強化
3. 人材採用の強化
4. 市場展開や産業応用の推進
投資家からの期待
今回の資金調達において、Abies Ventures Fund IIや東レインターナショナル、三菱電機など、多くの企業からの出資を受けました。これらの投資家はGeO₂半導体の特性や市場でのポテンシャルに注目しており、Patentixがこの分野で日本を代表するスタートアップへと成長することを期待しています。特に、Abies Ventures Fundの代表は、GeO₂半導体が次世代の主力パワー半導体となりうる特性を持っていると語っています。
今後の展望
代表取締役社長の衣斐豊祐氏は、現在の資金を利用して開発スピードを加速し、GeO₂パワー半導体の実用化を実現する意向を示しています。また、国内外の市場への展開を視野に入れ、電力関連や宇宙用途における製品の競争力を高めていくことを目指しています。特に、GeO₂半導体はウィンウィンの環境を生み出す可能性があり、社会におけるアプリケーションも多岐にわたります。
地域貢献と持続可能性
Patentixは「びわこ半導体構想」の一翼を担い、地域経済の活性化にも寄与しています。脱炭素社会に向けた社会的な課題を解決するための強力なパートナーとして、今後の成長が期待されます。
新しい半導体材料の実用化を目指すPatentixの挑戦は、テクノロジー業界のさらなる革新を促すことでしょう。同社の今後の展開に目が離せません。
会社情報
- 会社名
-
Patentix株式会社
- 住所
- 滋賀県草津市野路東1丁目1番1号立命館大学BKCインキュベータ
- 電話番号
-
0775-99-1558