Compalが日本市場に進出
台湾に本社を置く世界的な電子機器メーカーであるCompal Electronics, Inc.が、車載赤外線センシング技術の普及を目指し、日本オフィスを東京の港区に設立したことを発表しました。この新拠点は、Compalの赤外線センシング技術の展開を担う戦略的な拠点であり、国内のOEMメーカーやTier1企業、自動運転サービス企業との連携を強化する役割を果たします。
目的とビジョン
新たな日本オフィスでは、Compalが持つ赤外線センシングの専門知識と技術を活かし、日本市場に特化した営業活動と技術支援を行い、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していく計画です。この取り組みは、日本の自動車業界における安全性と品質向上に寄与することが期待されています。
先進運転支援システムの開発
CompalのAutomotive Electronics Products(AEP)事業部は、赤外線センサーとAIアルゴリズムを統合した先進運転支援システム(ADAS)の開発に注力し、夜間や悪天候における歩行者や動物の高精度認識を目指しています。特に、2029年から施行予定の夜間歩行者緊急ブレーキ義務化に対応した製品の開発が進められており、2025年第3四半期からサンプル出荷が開始される予定です。
高解像度センシングソリューション
また、Compalは自動運転の運用設計領域を拡大するための高解像度センシングソリューションの開発も行っています。都市部や低照度環境においても高い性能を発揮できる技術が追求されており、未来の自動運転に向けた基盤が築かれています。
経営陣のコメント
ITS部門のゼネラルマネージャーRichard Seoane氏は、「日本は、安全性と品質が求められる自動車業界において世界のベンチマークとなる国です。当社の技術が、交通事故のリスクを減少させるとともに、自動運転の可能性を広げることを期待しています」とコメントしました。また、「Compalは長年にわたり、エレクトロニクス製造の分野でグローバルな信頼を得てきました。これからは、日本の皆さまに迅速に高性能なセンシングソリューションを提供し、より強固なパートナーシップを築いていきたい」とも述べています。
Compalの概要
Compal Electronics, Inc.は1984年に設立され、世界的にエレクトロニクスメーカーとしての地位を確立しています。連結売上高は283億米ドルに達し、ノートPCやクラウドサーバー、自動車電子機器など多岐にわたる製品を提供しています。また、米国、台湾、中国などに製造拠点を持っており、2025年には製造業のトップ企業に選ばれるなど、業界での評価も高まっています。
新たに設立された日本オフィスが、Compalの先進的な技術の普及と日本市場でのさらなる成長をどのように実現していくのか、注目が集まっています。